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NTTよお前もか ~ スクープ報道は総理長男の関与印象を薄める助け舟?

「菅義偉首相の長男・正剛氏が部長職を務める東北新社から接待され、減給の懲戒処分を受けた谷脇康彦・総務省総務審議官と、給与の自主返納と内閣広報官辞職に至った山田真貴子氏。2人が、NTTからも高額な接待を受けていたことが「週刊文春」の取材で分かった」(文春オンライン「一人10万円超も NTTが山田前広報官と谷脇総務審議官に高額接待」

東北新社だけでなくNTTからもか…。

文春に毎週スクープネタを提供出来るほど総務省は接待漬けになっていたことに呆れるばかり。これでは接待を受けた側が総理の長男に奢ってもらったことを忘れても仕方がない。

ただ、NTT社からも東北新社を上回る高額接待を受けていたことが明らかにされると、日常的に利害関係者から高額違法接待を受けていた問題の原因が総務省幹部たちのモラルの低さにあるというような印象が強まり、総理の長男に誘われたから断れずに違法接待に応じたという見方が薄められてしまう。

それによって総理の長男や総理自身の責任が軽いというイメージが広がるのであれば、総理サイドにとってはありがたいスクープだったのではないかと邪推してしまう。もちろん文春側にそんな意図は毛頭ないはずだが、政権側が印象操作に使わないとは言い切れない。

それにしても週刊文春の取材力は大したものだ。文春には政権を監視するための万年野党結成して国政に進出することを検討して貰いたいものだ。数ばかり多くて調査能力も追及能力も持たない既存野党より支持を集めるはずだ。懸念されることは絶対安定過半数をとってしまう可能性だろうか。

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「私自身が判断したい」という総理発言は何故素直に受け入れられないのか

「国民の皆さんの命と暮らしを守るために2週間程度の延長が必要ではないかなと考えている。専門家、関係者の皆さんの意見を伺ったうえで最終的に私自身が判断したい」(3日付日経電子版 「緊急事態宣言、2週間程度延長へ 首相「病床逼迫ある」

この発言の裏には「後手後手」という批判と、それを印象付ける要因を作り出している「緑の狸」を抑え込もうという思惑が見え隠れする。

本来政府対策会議本部長である総理が専門家に諮問したうえで発出するという政府主導の仕組みになっている緊急事態宣言発出が、いつの間にか知事の要請を受けて政府が発出するという受け身の仕組であるかのような印象が植え付けられてしまった。こうした印象作りを主導したのが「緑の狸」であったから、総理には何としても「緑の狸」が出て来る目に先手を打って「政府主導」であることを再度認識させるという強い意志が働いたのだろう。

こうした政治的駆け引きが見え隠れするから「国民の皆さんの命と暮らしを守るために」という発言が白々しく国民の心に響かない白けたものになっている。

「最終的に私自身が判断したい」という発言に関しては「科学的根拠を示せ」という意見も強いようであるが、緊急事態宣言を2週間延長することを正当化する科学的根拠を求めるのは無理というもの。出したとしても反論続出必至で国民全員を納得させることは出来ないなのだから。

こうした国民の意見が割れる問題に対して総理が「最終的に私自身が判断したい」というのは民主主義では当然のこと。そのために総理という国のリーダーを選んでいるのだから。

それにも関わらず、総理の発言に批判が出て来るのは、総理が国民が選んだリーダーであると認識されていないからである。それは支持率が低いことや自民党内の事情で密室で総理が決められたということだけではない。

根本的な問題は、国会が首班指名をする仕組みの中で本来一人一人が国民の代表であるはずの国会議員が、選挙制度によって「おらが町の代表」に成り下がっていたり、政治のボスの子分に甘んじているところにある。国民の代表としてあるまじき行為をしたところで「おらが町」で当選さえすれば禊は済んだとして「国民の代表」に拡大解釈されるところに国民は白けて政治離れを起こし、その結果多くの国民の目には国会が指名した総理が「国民の代表」に映っていないのだ。

政治はそれを逆手にとり、国民の政治離れを進めることで「国民の代表」を世襲を含めた一部の人間で独占しようとしているように思える。

「国民の代表」といえる総理が誕生する仕組みなくして「国民の皆さんの命と暮らしを守るため」の政治を望むべくもない。残念なことは、こちらの実現は新型コロナウイルス撲滅よりもずっとずっと遠く険しい道のりに思えることだ。

総務省幹部接待問題 ~「東北新社」による「格付けチェック」

「37件のうち、菅総理大臣の長男が出席していたのは延べ20件だったということで、11人は、いずれも「会食への出席は、菅総理大臣の長男の参加が理由ではない」と説明している」(22日付NHK NEWS WEB 「首相長男らと会食 職員11人 倫理規程違反の接待と発表 総務省」)

「わきまえる男達」による総理を庇うための発言だとは思うが、もし虎の威に怯えたわけではないとしたら、それはそれで深刻な問題。

「長男が衛星放送関連会社に入社する時、総務省とは距離をおいてつきあうように、言ったことを覚えている」(22日付NHK NEWS WEB 「衆院予算委 首相が陳謝「長男が関係 心からおわび申し上げる」」)

もし総理のこの発言が本当だとしたら、長男は国家公務員の倫理規程に違反する可能性が高いことを認識したうえで総務省幹部を接待したことになるからかなり悪質ということになる。

「11人の会食は、2016年から去年までの5年間に合わせて延べ37件行われ、総額52万6000円余りにのぼった」(22日付NHK NEWS WEB 「首相長男らと会食 職員11人 倫理規程違反の接待と発表 総務省」)

接待総額もさることながら、興味深いのは1人1回あたりの接待金額。局長と審議官4人の1回あたりの単価は9000円~1万4750円と幅がある。さながら「東北新社」による官僚の格付けチェック。

その中で突出しているのが女性の内閣広報官。この方は総務審議官時代に一人で1回7万4000円もの多額の接待を受けていた。その金額は5回も接待を受けていた他の審議官の接待総額を上回るもの。何故「東北新社」は女性審議官だけをこれだけ厚遇したのだろうか。まさか「女性を大切にする企業」であることをアピールするつもりだった訳ではないとは思うが。

この内閣広報官には十分な説明責任を果たして欲しいものだ。「わきまえない女性幹部が増えると接待金額が増える」というような悪しき噂が立たぬように。

総務省幹部に対する接待疑惑で明らかになった事は、永田町界隈には菅総理が指摘する「国民の感覚から大きくかけ離れている、当たり前でないことが残っている」ことだ。

「Kの字」の傷 ~ 民主主義の機能不全によるものか、資本主義が機能した結果か

「世界を内から切り裂くのは「Kの字」の傷だ。米国の上位1%の富裕層は資産全体の3割を握る。コロナ下の財政出動と金融緩和で株価は上がり、持つ者と持たざる者の差はさらに開いた」(21日付日経電子版 「世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む」

政治の腐敗が「Kの字」の傷を生み出しているのであればそれは民主主義が機能不全に陥っている可能性を示唆しているといえる。

しかし、お金が資本と情報を効率的に使うところに向けて流れた結果としたら、それは民主主義、資本主義が機能している結果だともいえる。

資本と情報は効率的なところに向かう一方、政治はその結果生じる「Kの字」の傷を癒す方向に動く。それは資本主義の中で社会主義が台頭し共存していくということであり、自由主義国も「一国二制度」に向かうということ。共産主義を掲げる中国が資本主義をとりいれ、自由主義資本主義経済を掲げる先進国も社会民主主義に向かいだしている。もはや「一国二制度」は中国の専売特許ではなくなっている。

若い頃資本主義の進化の先に社会主義、共産主義があると教わってきたが、イデオロギーに関係なく「一国二制度」に向かうというのが現実だったようだ。違いはどのようなイデオロギーを掲げるているかだけだ。米中対立も1980年代までのイデオロギー対立でなく、経済対立になって来ている。

「「『トランプ』はどこにでもいる」。トランプ前米大統領の支持者らによる米連邦議会議事堂の襲撃から一夜明けた1月7日、欧州連合(EU)のトゥスク前大統領は世界に警鐘を鳴らした」(同日経電子版)

メディアでは社会の分断を招いた原因をトランプ大統領に求める論調が強い。しかし、「Kの字」を作り出した原因をトランプ大統領に求めるのは間違いだ。「We are the 99%」「ウォール街を占拠せよ」運動が起きたのは10年前、オバマ大統領の時代だったのだから。トランプ大統領は「Kの字」の傷を生み出した悪の権化ではなく、「Kの字」の傷が一定以上に深刻になったことで誕生したと考えるべきだろう。

資本と情報が効率的に使われれば使われるほど科学技術も進化する。そうなればますます資本と情報はより効率的なところに向かって動き出す。それは99%の国民の生息域をさらに狭めていくことを意味するものだ。

自由主義、資本主義は多くの人間にとって残酷な段階に入って来ている。

老若男女問わずこれまで以上に自分を成長させ磨かなければ生き残れない時代になっている。年齢を言い訳に自らの進化を止めることは自殺行為だ。政治が「Kの字」の傷を癒す方向に動いても、99%の国民は年金など社会保障制度だけで人間らしく生きられる時代ではなくなっているのだから。


新会長就任 ~ 日本が向かうのは「セクハラ天国」か「ダブルスタンダードの国」か…

昨日ブログで「「政界の父」から「政界の娘」に引継がれた会長職 ~ セクハラ認識の甘い国」という記事を公開しておいたところ、BLOGOSに転載され朝一時点で閲覧数トップに。ブログを更新するのは1カ月ぶり、BLOGOSに転載されるのは3カ月ぶりだったにもかかわらず…。

ところで、小生は別に新会長を嫌っている訳ではない。

新会長は、就任会見で自らの過去のセクハラ疑惑に対して

「自身の軽率な行動について深く反省している。…(中略)…会長職を全うすることで、しっかりと多様性や調和、男女平等、あらゆる問題に対してオリンピズムの原則、ムーブメントをもとに着実に進める。そうすることで皆さんにご理解いただけることになると思う」

と述べていたが、これで大臣や会長職に就く、留まることを許されるのであれば、セクハラはやり放題になってしまう。

仮に男性が女性に対して、新会長が7年前に行った行為と同様の行為に及んだ場合、「自身の軽率な行動について深く反省している」というコメントを出せば許されることになるのだろうか。

許されるとしたら日本は「セクハラ天国」となるし、許されないとしたら「ダブルスタンダードの国」になってしまう。

就任会見では「アスリート出身のわたくしとして全力を尽くしたい」とアスリート、オリンピアンとしての経験を活かす意思を見せたが、「セクハラ疑惑を招いた経験を活かして、ジェンダー平等とセクハラ撲滅などに全力を尽くしたい」と付け加えるくらいの強い意志をみせて欲しかった。

それにしても気色悪いのは、前会長の発言に対して強烈な批判を繰り返したメディアのコメンテーター達が、新会長の過去のセクハラ疑惑に対して気持ち悪いくらい寛容な「わきまえたコメンテーター」と化していることだ。

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」という発言は OUT ! で、7年前の人気選手に対するセクハラ疑惑は SAFE ! という線引きが世界から理解を得られるのか、今後ジェンダー平等を目指す日本社会にとって正しい判断なのか、個人的には大いに疑問である。

人気者ならば SAFE ! 、嫌われものならば OUT ! になるのであれば、それは法治国家ではない。まさか近日中にセクハラ疑惑の時効は5年とかいう法律でも作る気なのだろうか。

賭け麻雀に続いてセクハラにおいてもダブルスタンダードを作ろうとしている日本。複数のダブルスタンダードを持つ国というのが日本の目指している国家像なのだろうか。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

著書

202X 金融資産消滅

著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

著書

中学一年生の数学で分かるオプション取引講座(Kindle版)

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