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「自動ブレーキ搭載義務化」 が築く 「非関税障壁」


「国連欧州経済委員会(ECE)は12日、日本や欧州連合(EU)など40カ国・地域が衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の導入を義務づける規則の原案に合意したと発表した」(13日付日経電子版「自動ブレーキ搭載義務化、40カ国が合意 国連発表」

運転免許に「自動ブレーキ搭載車限定」を設け、一定年齢以上の高齢者が免許更新をする際にそれを義務付けるべきだとずっと思っていた身としては、「自動ブレーキ搭載義務化」の流れは大歓迎。一歩一歩高齢ドライバーに近付いている自分にとっても、肉体的衰えをメカに補ってもらえるのは有難いこと。

気になるのは、「今回の規則制定には日欧のほか韓国やロシアが参加する一方、米国や中国、インドは加わっていない」というところ。

高齢化社会に向かう中で歓迎すべき動きが、トランプ大統領の眼に「非関税障壁」に映らないかが最大の懸念。米中通商交渉の後には日米通商交渉が迫っているし、EUと米国の通商交渉は現在中断中。自動車を中心に対米貿易黒字を抱える日本とドイツが、このタイミングで「自動ブレーキ搭載義務化」に動き出すことが、「America First」を叫ぶトランプ大統領を逆なでしなければいいが。
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間違った政策は間違った政策の連鎖を招く

「筆者が最近、米ヘッジファンド関係者から聞いた案がある。マイナス金利幅の拡大と銀行株の相場に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れを組み合わせる方策だ。銀行株下落という「副作用」に直接、対処するのが狙い。銀行など業種別の株価指数に連動するETFは既に存在する。日銀が買うなら組成も進むだろう」(11日付日経電子版「銀行株ETF購入? 日銀利下げ時の副作用対応 」

銀行株ETF購入?

間違った政策は、間違った政策の連鎖を招く。その典型。

米中貿易交渉が終われば、日米貿易交渉が始まる。米国が「為替条項」を求めることが確実視されるなかで、「マイナス金利の深掘り」など「異次元金融緩和」を強化することは自殺行為に等しい。

嘘は通し続けることは出来ない。官僚は政権に忖度するかもしれないが、金融市場は政権に忖度することはない。忖度を求めれば反乱が待っている。

「時すでに遅し」だが、外圧によって過ちを強制的に修正されるのではなく、自ら過ちを認め金融政策を修正すべき時期に来ている。日本は独立国家なのだから。

中国春節期間中の売上高統計にみる投資理論の限界

「商務省が同日発表した期間中の国内の小売・飲食業による売上高は1兆50億元(約16兆2000億円)と2018年より8.5%増えた」(10日付日経電子版「中国、春節消費に減速感 売上高の伸び初の10%割れ」

この事実に対して、日経電子版は

「現行の統計を始めた05年以降で伸び率が2桁を割るのは初めてとなる。中国経済の減速ぶりが年間で最大級の商戦期である春節の消費にも表れた」(日経電子版)

とややネガティブに報じているのに対して、Bloombergは

「何億人もの国民が親類に会うため国内を移動する中、春節の支出データは中国消費の底堅さを示唆した」(11日付Bloomberg「中国の春節小売り・飲食業の売上高、8.5%増-観光も伸びる」

とややポジティブに報じている。

同じ情報でも受け手によって捉え方は異なってくるという現実を突き付けたような報道。

どちらの見方が正しいかはにわかには判断できないが、確かなことは証券アナリストの分野で重要な理論とされている「資本資産評価モデル(CAPM)」が成立するうえでの仮定「同質的期待の過程:投資家は証券の収益率に関して同一の予想を持つ」が、現実の社会では成立しないということだ。つまり、「CAPM」は理論の世界での空想だということ。

20年前にファンドマネージャーとして証券アナリストの勉強をした頃から「CAPM」を始めとした投資理論に対しては違和感を覚えていた。

それは、仮に「投資家は証券の収益率に対して同一の予想を持つ」のであれば、ファンドマネージャーやアナリストという職業に何の付加価値が存在するのか、アナリスト資格で求められる知識はファンドマネージャーやアナリストの自己否定だという疑問である。

重要なことは、「CAPM」を始めとした様々な投資理論を金科玉条のように扱ってはいけないということだ。現実は理論通りには動かないからだ。

だからと言って理論を無視、軽視して良いというわけではないところが投資の難しいところ。理論を知らなければ、投資家は自身がどこでどのようなリスクを取っているかを知ることは出来ないので、投資=ギャンブル になってしまうからだ。

一般投資家にとって投資リスクの一つは、アナリスト資格を持っているファンドマネージャーやアナリストを「CAPM」を始めとした小難しい投資理論を知っているという理由だけで「投資の専門家」と思い込むことだ。

公的年金運用損失過去最大14.8兆円 ~「結果責任」より前に必要なもの

「公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、2018年10~12月期の運用損失が14兆8039億円だったと発表した。市場運用を始めた01年度以降、四半期ベースでは過去最大となった」(1日付日経電子版 「公的年金、運用損14.8兆円 18年10~12月、世界的株安響く」

公的年金の「利益」と「損失」の定義が曖昧な中で「2018年10~12月期の運用損失が14兆8039億円だった」と騒いだところであまり意味がない。

問題なのは、この記事の中でも

「GPIFは14年の運用改革で国内外株式の構成割合をそれまでの2倍の50%に増やした。資産の3分の2は日本株や外貨建ての資産で運用されており、株式や為替相場の変動に運用成績がより左右されやすくなっている」

「GPIFは相場変動に左右されにくい運用に力を入れている」

と、全く正反対、矛盾するような記述があることだ。

「相場変動に左右されにくい運用に力をいれている」投資主体が「国内外株式の構成割合をそれまでの2倍の50%に増やす」ことなどあり得ない。

自分のお金を自分で運用するときには、いくらこうした論理的矛盾があっても問題はない。結果責任を負うのはその人自身だからだ。しかし、人様のお金を運用する場合には、結果責任より前に、投資方針や投資行動が論理的一貫性を持つことが最低限必要なのだ。

公的年金の運用に「結果」が求められるのは当然のことだが、過去最大の損失を出したことよりも運用プロセスにこうした論理的矛盾といえるようなことが幾つも存在していることが現在のGPIFの運用の問題なのだ。

「結果論」の議論は所詮「イデオロギー論争」しか生み出さない。重要なのはイデオロギーに関係なく論理的矛盾のない筋の通った運用をすることだ。公的年金の運用の議論がその方向に向かうことを期待し続けているが、現時点では望み薄というのが現実だ。

「知識ゼロからの名画入門」 連続講座に参加

土曜日の午前中は早稲田大学エクステンションセンターで講座をやることが多いが、今日は講座がない日で、原稿も昨日中に提出し終えたので、「なんでも鑑定団」の鑑定士としてお馴染みの永井龍之介氏が銀座の永井画廊で開催された「知識ゼロからの名画入門」という講座に参加。

今回は、毎回五人の画家を取り上げて、それにまつわるいろいろなお話しを通して知識を身に付けていこうという連続講座の第1回目で、取り上げられた画家は「ファン・アイク」「アルブレヒド・デューラー」「ヨハネス・フェルメール」「ヒエロニムス・ボス(ボッシュ)」「ベーテル・ブリューゲル」の5人。今週見に行ったばかりのフェルメールが取り上げられていたのも、参加したくなった理由の一つ。

講座の特徴は研究者ではなく、永井さんらしく「画商」の立場から作品にアプローチする点。分野は全く異なるが小生の講座と共通点がある。昨年からアンティークコインを扱う会社の資金調達のお手伝いをしており、西洋史の教養の必要性を感じていたので絶好の機会だった。

今回は永井社長と昨年夏に軽井沢の千住博美術館のギャラリーで偶然お会いしたご縁でメールでご案内を頂いた。全ての講座に参加することは日程的に無理だが、講座のないときを見計らってまた参加 してみたい。特に7回目と8回目は。

洋画にご興味のある方は ”「知識ゼロからの名画入門」 連続講座” の日程等をチェックしてみて下さい。教科書的に使われる書籍は永井さんのサイン入りです。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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