安倍総理は「悪魔の証明」を出来るのか、出来ないのか

「2人きりで『渡した』『渡さない』となれば、こちらは渡していないと証明しようにないのは常識だ」

安倍総理は、いわゆる「悪魔の証明」を持ち出し、昭恵首相夫人から100万円の寄付を受けとったという籠池理事長の証人喚問での証言の真偽について、「あると言っている人が証明しなくてはいけない」という主張を繰り返している。

その安倍総理は、28日の閣議で、大阪市の学校法人「森友学園」への国有地払い下げなどを巡り、財務省、国土交通省、文部科学省に対する政治家からの不当な働き掛けは「一切なかった」と否定する答弁書を閣議決定した。

(参考記事) ロイター ~ 「政府、昭恵夫人に公用旅券」

「政治家からの不当な働きかけは一切なかった」という閣議決定をしたということは、不当な働きかけが「なかった」ことを政府が証明したということ。安倍総理の論理から言えば、、「不当な働きかけがあったのではないか」と追及する野党側に証明責任があることになる。

もし「不当な働きかけがなかった」ことを証明する能力があるのであれば、なぜ昭恵夫人から籠池理事長に100万円の寄付をしていないことを証明しないのだろうか。

その昭恵夫人は、国会で「忖度の余地はない」と繰り返している安倍総理を嘲笑うように、「わたしが来ることで、もしかしたら迷惑をかけてしまうかもしれない」と世論を「忖度」して「全国高校生未来会議」への参加を急きょ取りやめ、森友学園問題に「忖度」が存在していることを自らの行動で証明している。

安倍総理は「悪魔の証明」をする能力を持っている、持っていない、どちらなのだろうか。これこそが「悪魔の証明」なのかもしれない。

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まとめサイト質向上~「情報」はタダではない

「ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーション(まとめ)サイトの不祥事を巡り、第三者委員会が今月、記事の質より量産を優先した運営の問題点を指摘する報告書を公表した」(27日付日本経済新聞 「まとめサイト 質向上探る」)

キュレーションサイトをはじめ多くのネットビジネスが抱える限界と問題点の本質は広告ビジネスであるという点にある。

「広告」ビジネスにおいて重要になってくるのはPV数である。「記事の質より量産を優先した運営」に偏って行ったのもこのPV数を確保しようとしたためだといえる。

小生のところにもキュレーションサイトから記事の提供依頼が来たこともあるが、原則無料で公開しているコラムの転載以外はお断りしている(おかげで最近はこうした申し出は来なくなっている)。

それは、執筆料がほとんど出ないからである。執筆料がほとんど出ないサイトに、きちんとした記事を提供する執筆者はほとんどいないはずである。

無料で多くの記事を集めるのは質の高い記事を集めることが目的でなく、PVを集めるのが目的だからである。したがって、PVを集められる記事がいい記事で、内容が良くてもPVを集められない記事は悪い記事となる。要するに記事の質は求められていない。

1970年にベストセラーとなったイザヤ・ペンダサンの「日本人とユダヤ人」のなかでは、「日本人は安全と水をタダだと思っている」という記述がある。それから50年近く経った今日、安全も水もお金を払って購入するのが当たり前の社会になった。

その中で今でも日本人がタダだと思っているのが「情報」である。タダで得られる情報は、もともと価値が乏しいか、裏側に請求書が付いているのかどちらかのはずで、質の高い情報を得たいのであれば「情報」にお金を出して購入する必要がある。

「情報はタダではない」

こうした認識が当たり前になれば、今回のようなキュレーションサイトの問題は自然と収まっていくはずだ。

ネットで溢れている情報は、怪しげなものも含めて「情報」である。そうした情報の真贋を確かめるには、自分自身で真贋を見極めることが出来る審美眼を身に着けるか、コストを払って情報を購入するかどちらかである。どちらにしてもコストを掛けることになる。

著作権侵害の管理などはサイト運営者が法令順守をすることは当然のことだが、読者側が誰かが真贋を見極めてくれた質の高い情報だけをタダで手に入れようと思う限り、こうした問題がなくなることはないはずである。心しておかなければならないことは、まとめサイトの質向上だけでなく、読者側の質向上も求められているということだ。

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オバマケア代替法案撤回 ~ 脅しに屈しない米国と忖度が蔓延る日本

「トランプ氏は21日に自ら議会に乗り込んで説得工作を開始。「実現しなければ18年の中間選挙で共和党は議席を失う」と脅しをかけた」(25日付日経電子版)

トランプ大統領が脅しをかけたにも関わらず、目玉政策であった「オバマケア代替法案」は下院に提出することすら出来なかった。

メディアはこうした事態を「トランプ大統領の指導力、求心力の低下」「政権に痛手」だと報じている。

確かにそのような面もあるかもしれないが、党首が白と言えば脅しなどなくても黒いものも白だと忖度する議員が蔓延っている日本のことを思うと、米国には「民主主義が残っている」「チェック機能が働いている」ように見えて羨ましく感じてしまう。

籠池理事長、証人喚問前夜

「小学校の建築費も不透明だ。学園は府私立学校審議会(私学審)に7億5600万円と報告。だが国土交通省に補助金を申請した際は付随工事を含め23億8400万円、伊丹空港の騒音対策の助成金申請では運営会社に15億5000万円と3つの異なる金額を示している」(22日付日経電子版)

何故こんな森友学園の固有の問題が国会の証人喚問の大きな議題になるのだろうか。不正があったとしてもそれを調べるのは国会ではなく警察の仕事。

籠池理事長という人物が信じられない人間であるという「レッテル貼り」をするために主要議題に挙げられているとしか思えない。

森友問題では、政府側も籠池理事長も虚偽発言、隠蔽を行っている。そうした構図の中で重要なことは、籠池理事長が信頼に値しない人間であるということを詳らかにしたところで、政府側が潔白で疚しいところがないという証明にはならないということだ。


森友学園、ゴミ撤去せず

「学園側が国の想定する分量のごみを撤去していないことが、複数の工事関係者への取材で分かった」(21日付毎日新聞~工事関係者「ごみの撤去、聞かされていなかった」と証言

現場施工の観点から考えれば、当初から予想されていたこと。筆者も3月5日に公表したコラム

「杭打ち工事に障害を及ぼす地下埋設物や生活ゴミを取り除く作業を実施するにあたって、別の杭打ち工事が必要になる可能性が高い。…(中略)… 2017年4月の開校ありきで物事を進めてきた森友学園が、資金も工期もかかる埋設物の撤去工事を行った、というのは考え難い」

という見解を示していた。

23日には籠池理事長の証人喚問が行われる。安倍総理からの100万円の寄付問題は、籠池理事長にとっては安倍総理との距離の近さを証明するものとして、総理側はこの証言が嘘であることで籠池発言全ての信憑性を否定する材料として重要な要素かもしれないが、所詮それは枝葉の話。

本丸は学校認可と国有地払下価格。一般的には両方に政治的な力が及んでいると考えられている。

しかし、個人的見解では、前者には目に見える形か否かは別として政治的力が及んでいた話であるのに対して、後者はそこから派生したもので、そこには政治的力は殆ど及んでいないと考えている。

森友問題は籠池理事長の作戦通り、戦線が拡大され本丸が見え難くなってきているのと同時に、議論も週刊誌的なものに移って来てしまっている。

森友問題は、安倍総理夫妻に初めて降りかかったスキャンダルという点で大きな政治的問題になっている。注意しなければならないことは、万が一対応を間違えたり新たな証言が飛び出した場合には、経済にも波及してくるリスクが出てきているということ。

安倍総理の支持率がさらに下がり、政権維持に黄色信号が点れば、安倍政権が推し進めて来た日銀の「異次元の金融緩和」も打ち止めとなる可能性があるからだ。そのこと自体は将来の日本経済にプラスのことだが、短期的にはこれまで間違った政策を続けて来たことに対するツケを払わなければならない。それによって市場が大混乱となることは想像に難くない。安倍総理の経済政策は出鱈目であるが、総理の後釜がいないことも日本にとっての悲劇。

近藤駿介

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近藤駿介

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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