FC2ブログ

一神教信者が抱く「売上至上主義に疑問」

「下落組に共通するのは、利益は市場予想を大きく上回った半面、売上高やその予想が市場の期待に届かなかった点だ。『売上高の減速ばかりに関心が集まり、成長性が低下したと判断された』(米投資会社スウォーズモア・グループのカート・ブランナー氏)。こうした判断は妥当といえるのか」(3日付日経電子版 ~ ハイテク株投資、「売り上げ至上主義」への疑問

何故そんなに疑問なのだろうか。

株式の価値を決める根本的要因が「利益」であることは論をまたない。しかし、様々な目的と価値観をを持った投資家が参加する「多神教」の市場で、金利が低下、緩和的な局面と、金利が上昇、引き締め局面にある時では「利益」や「売上」に対する評価が変化するのは当然のことだ。いかなる時でも「利益」に対する評価が変わらないという「一神教」の考え方こそが非現実的なもの。「PER13倍台は割安」という説教を繰り返すアナリストは、さしづめ「利益」に対する評価は不変であるという「一神教」の宣教師。

<参考記事>
「投資家は将来の利益をベースにした妥当株価を算出して日々売買している」という非現実的妄想

スポンサーサイト

「投資家は将来の利益をベースにした妥当株価を算出して日々売買している」という非現実的妄想

「投資家は株価の妥当な水準を、企業が生み出す将来の利益をベースに計算し、日々売買しています」(29日付日経電子版 「読み解き株安 米IT銘柄の急落、引き金は『金利』」

こんな投資家がいるのであればお目に掛りたいものだ。

小生は兆円単位で株式の売買をしてきたが、投信や年金の運用においてはこうした基準で売買したことは一度もない。

「企業が生み出す将来の利益をベースに妥当な株価を計算」するという考え方は投資の基本だが、現実にこうした考え方で購入価格を決めるのは、ベンチャー投資やM&Aなどの場合であって、投信や年金の運用ではほとんどあり得ない。

それは、投信や年金のファンドマネージャーの仕事は、「企業が生み出す将来の利益をベースにした妥当な株価で株式を購入する」ことではなく、求められたリターンを生み出すことだからだ。

「企業が生み出す将来の利益をベースに計算した妥当な株価」が500円である企業の株が、市場で1000円で取引されていた場合、この銘柄を1000円という時価付近で購入するか、500円で購入できるまで待つかの判断は、投資資金の性質、ファンドマネージャーに求められているリターンによって大きく異なってくる。

世界最大の機関投資家と称されるGPIFは、6月末時点で41兆円強の日本株を保有しているが、その約90%はパッシブ運用である。つまり、GPIFは「企業が生み出す将来の利益をベースに計算した妥当な株価」で41兆円強の日本株を買っているのではなく、TOPIXを始めとしたベンチマークに含まれている銘柄を、その時の市場価格で買っているに過ぎない。

それは、世の中のほとんどの投資家が「企業が生み出す将来の利益をベースに計算した妥当な株価」で投資をしているわけではないことを意味している。

東証一部上場銘柄だけで2108銘柄もあるなか、全ての銘柄の「妥当な株価」を計算して日々売買をするなど非現実的かつ非効率的。

足元の市場価格の日々の動きは激しさを増している(ボラティリティが高い状況)。この記事の主張が正しいとすれば、毎日「日々妥当な株価水準が大きく変わっている」ことになる。それは説得力のある説明なのだろうか。

NYダウは10月3日の26,828$から先週末には24,688$まで2,140$、率にして約8%下落してきているが、同期間に米国の10年国債利回りは3.25%付近から、3.07%近辺まで低下している。

こうした事実に基づけば、理論上金利要因からすれば「企業が生み出す将来の利益をベースに計算した妥当な株価」は10月3日よりも直近の方が高くなっていて当然だ。

投資の基本はとても重要だ。しかし、それに基づいて「投資家が日々売買している」と思い込むのは宗教的幻想にすぎない。

基本を無視した暴走は避けなければならない。しかし、現実を無視した妄想にとりつかれた居眠り運転も危険極まりないものだ。

投資家は幻想ではなく、現実の中で生きていることを忘れてはならない。考え方、見方は柔軟でなければならない。投資家に求められるのは、原理主義的な考え方に縛られた行動ではなく、基本を知ったうえでのアジャストメント能力である。

消費増税賛成が反対を上回る???

「2019年10月に予定する消費税率の10%への引き上げについて賛成が47%と、反対の46%を上回った」(28日付日経電子版「消費税増税『賛成』47%、反対上回る 本社世論調査 」

ちょっと信じ難い結果。日本国民は本当に安倍政権に寛容だ。この先日本の株価がさらに下落するようになれば世論も変わると思うが・・・。

「政府は消費税率を引き上げる際に飲食料品や新聞などに8%の軽減税率を適用する方針だ。この方針を『評価する』は49%で、『評価しない』の45%と拮抗した」(同)

軽減税率などはその線引きなどを通して新たな「利権」を生み出すものでしかない。消費増税を実施するのであれば、軽減税率など設けずに全ての税率を同じにした方が良い。それが出来ないのであれば増税をしなければいいだけの話。

また、新聞定期購読料をその対象に含めるのも、政府に対する批判を封じ込めるための「口止め料」としか思えない。「報道の独立性」を担保するために定期購読料を軽減税率の対象外にすることを要求するような気骨のある新聞社が現れることを期待するのは無理な話しなのだろうか。

月額僅か100円程度(月額購読料4~5000円としてその2%分)の負担で「報道の独立性」が保たれるのであれば喜んで負担すると思っている国民は沢山いるはずである。

日経新聞の調査だったかは定かではないが、26日(金)に我家に世論調査の電話が掛かってきた。1階でその電話を受けた奥様は、2階で仕事をしていた小生のところに子機を持って駆け上がってきたが、第1問の回答時間をオーバーしたようで調査は強制終了されてしまった。今後はこうした電話口に出た人間が回答できない、したくないケースを想定して「最初から聞き直す」という項目を設けてもらいたいものだ。

もし小生が世論調査に答えられていたら、「消費増税反対」と「軽減税率評価しない」に清き一票を投じていた。小生の回答が世論調査結果に 0.1%程度の影響を及ぼせた可能性があっただけに残念。

近藤駿介講演 ~ もはや「リーマン・ショック後」ではない

【近藤駿介講演最新テーマ】

☆ 2019年に向けての金融市場と経済の動き
 ~もはや「リーマン・ショック後」ではない


リーマン・ショック発生から早10年。金融市場は「リーマン・ショック後」に根付いた「常識」にとらわれ続けている。こうした思い込みが、2019年に向けての金融市場や日本経済に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。学者的視点ではなく、元プロ・ファンドマネージャーという投資家目線からお話しします。

ご要望を頂ければ全国どちらでも伺いますので、「近藤駿介OFFICIAL SITE」よりお気軽にご問合せください。


【近藤駿介業務内容】
◆金融・経済、資産運用に関する講座、講演、執筆、メディア出演
◆企業顧問等
 ・資金調達及び資産運用に関わる金融スキームの設計及び指導
 ・事業承継、M&A、ビジネスマッチング等に関わる相談及び指導
   他

☆ 1989年12月29日、日経平均3万8915円
  ~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実
  河出書房新社より好評発売中
 

もはや「リーマン・ショック後」ではない

午前中早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校でのセミナー。

日米株価が大幅下落するなかで開催した本日のセミナータイトルは、「もはや『リーマン・ショック後』ではない」。因みに今月6日に行った前回のセミナーのタイトルは「ゴルディロックス相場は終わった」だった。

前回に続いて、2019年に向けての金融市場と経済を取り巻く環境は大きく変化して来ていることについて90分お話させて頂いた。

スタート30分以上前から席に着いている人がいるなど、毎度のことながらセミナー受講者の真剣さには関心させられる。終了後は残った方と30分以上質疑応答。

毎回40名前後の方が参加してくれており、メディアに登場するエコノミストや学者などが披露する机上の空論ではなく、実際のマーケットの仕組みやルールに基づいた現実的な話は受講者にとって新鮮なもののようだ。

小生側にとっての現実的問題は、実際のマーケットの仕組みやルール、歴史を踏まえたこうした話が聞けるセミナーをやっていること、要請があればどこでも開催することをあまり認識してもらえていないところ。

こうしたセミナーに興味のある方(参加或いは主催)はこちらからお気軽のお声がけ頂きたい

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

入会キャンペーン 実施中!

著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

近藤駿介 Official Site

各種お知らせ等はこちらから

FC2ブログランキング

クリックをお願いします。

FC2カウンター

近藤駿介 facebook

Recommend

お子様から大人まで
町田市成瀬駅徒歩6分のピアノ教室

全記事表示リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR