仮想通貨取引所登録制スタート

「インターネット上の仮想通貨を取り扱う取引所が、利用者保護の一環として来月から登録制になります。金融庁が事業者の審査を進めていますが、これまでに5社が『必要な条件を満たせない』などとして登録に向けた手続きをとりやめ、取引所の事業から撤退したり休止したりしたことがわかりました」(23日付 NHK NEWSWEB 「仮想通貨業者 登録取りやめ相次ぐ」

マウントゴックスが破綻した直後の2014年4月、3名の衆議院議員に対して、当時政府が示していた「ビットコインは通貨でも有価証券でもない」という見解がもたらすであろう危うさと規制の必要性について提案を行った(その他「クラウドファンディング」等についても)。

その提案は、参加議員の一人によって翌月直ぐに衆議院「財務金融委員会」で取り上げられ、それが2年後の昨年5月、仮想通貨の悪用防止や利用者保護のため、取引所に登録制を導入するほか、口座開設時の本人確認も義務づける「改正資金決済法」の成立という果実となった。

そして来月からいよいよ登録制がスタートするとは、感慨深いものがある。3年半前に行った提案が、安心して投資できるインフラ整備に繋がれば嬉しい限り。

仮想通貨は、一昨日ランチェスターマネジメント(株)で毎月録音撮りしているトーク番組でもトークテーマとして取り上げられるなど、ここに来て再び脚光を浴びホットな話題になってきている。

トークの中でも指摘させて頂いたが、仮想通貨は、とかく投資対象として「儲かるか、儲からないか」ということで注目されがちだが、もっと多面的な視点から見る必要があるように思っている。

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最高益更新で「大いなるイリュージョン」を証明したイオン

「食品や日用品の値下げによる客数増も寄与した」
「食品や日用品の値下げ効果も出ている。4月に約250品目、8月にプライベートブランド(PB)の約110品目で平均約10%の値下げを実施した。客数が増え、対象商品の売上高は8月の実施時に5割前後増えた」(共に23日付日本経済新聞「イオン影響益最高」

4月に「脱デフレは大いなるイリュージョンだった」と政策当局の見解と正反対の意見を述べたイオンの岡田社長。自らの見方が正しかったことを「イオンの連結営業利益11年ぶり過去最高」という形で証明する格好となった。

何とかの一つ覚えのごとく「2%の物価安定目標を達成するために、大規模な金融緩和を継続する」「デフレ脱却に金融緩和なまだ不十分」と繰り返している日銀政策委員の人達は、こうした「現実」をどのように見ているのだろうか。

「大いなるイリュージョン」を前提とした金融政策で日本経済が好転するのだろうか。「金融緩和はまだ不十分」という理由で金融政策の維持に反対票を投じた新任の日銀政策委員は、金融緩和を強化することでイオンが値上げに動くと主張するのだろうか。

理論と紙の上だけの専門家と、日々実体経済と対峙している経営者の差は埋めがたい差があることを如実に表す出来事だといえる。日本経済の先行きは、政策当局が自らの限界をみとめ、実体経済に謙虚になれるかにかかっているといえそうだ。

中国GDP水増し?~ 肝に銘じておくべき「二大鉄則」

「中国の地方政府が域内総生産(GDP)を水増ししているとの疑念が深まってきた。東北地方の遼寧省が1月に経済統計の水増しを正式に認めると、同省の2017年1~6月のGDPは物価の変動を考慮しない名目で前年同期比20%減った」(23日付日本経済新聞 「GDP水増し中国で横行?」

「なにを今更」といった印象。中国のGDPを始めとした経済統計でほとんど信じられるものはないというのは投資の世界ではずっと前から当たり前のこと。

この記事の持つニュース性は「GDPを水増ししているとの疑念が深まってきた」ことではなく、「遼寧省が1月に水増しを認めたことで、同省の名目GDPが前年同期比20%減った」という「水増しの規模」が具体的数字で示されたところにある。

人口が日本の10倍、経済規模が日本の2倍である国のGDPが、期が終わって僅か17日で正確な数字を出せるはずがないのは常識で考えればわかること。

しかも、日米では「速報値」「2次速報値/改定値」「確報値」という順番で修正が加えられていくが、中国は僅か17日後に改訂されることのないGDPが発表される。

例えば、2017年4-6月期のGDPを中国が発表したのは7月17日。それに対して米国が「速報値」を発表したのは7月28日、「改定値」を発表したのが8月30日、そして「確報値」の発表予定は9月28日である。

また、日本は8月14日に「1次速報値」を公表し、9月8日に「2次速報値」を公表している。そして「確報値」の公表は来年となる。
GDP統計自体が所詮「推計値」であるので、何時公表するかは「速報性」と「正確性」のどちらに重点を置くかという国の方針の問題でもある。

しかし、日米両国がGDPの推計に用いる経済指標が揃っていく、修正されていくのにしたがってGDPを改定していくのに、中国だけが一発で「確報値」を出せるわけはない。要するに中国のGDPは、各種統計データから推計しているのではなく、GDPそのものが独立して出されている可能性が高いということである。

13億人の人口を抱える中国経済の規模は大きい(13億人という人口自体信用できない部分はある)が、中国経済を額面通り受け取ってはいけない。

中国はドイツに次ぐ世界第二位の経常黒字国である。これが本当なのであれば、何故中国は資本流出を規制し、元安を抑えるために元買い介入をしているのだろうか。

高度成長と共に世界最大の経常黒字国になっていた日本の歴史は、「円高」との闘いの歴史でもあった。中国経済を日本の高度成長時代と重ねて論じる有識者は多いが、そのような単純な比較にはほとんど価値はない。

政策当局の公式見解を除けば、日本経済は公表される経済統計と市場の動きの間にはある程度の整合性が保たれている。一方、中国では発表される経済統計と、実際の政策の間に整合性が保たれていない。経済統計と政府の行動の間の乖離が、中国の経済統計が信用できないことを如実に表している。

中国経済は世界経済にとって無視しえない大きな存在になっている。しかし、それを経済統計で測ってはいけない。中国で発表される経済統計に一喜一憂して投資をするというのは、愚の骨頂だといえる。せいぜい投機の材料に使われる程度のものでしかない。

「政策当局の公式コメント」が信用できない日本と「経済統計」が信用できない中国。この二つが日本人が世界経済や金融市場動向を考えるうえで忘れてはならない「二大鉄則」だといえる。

「大義なき解散」の陰に隠れる「大義なき金融政策」

昨日の金融政策決定会合後の記者会見で「ETFの買い入れはイールドカーブ・コントロールほど重要でない」と明言した黒田日銀総裁。そもそも日銀が異次元の金融緩和でETFを購入しているのは「資産価格のプレミアムに働きかける観点」から。

日経平均株価は今週火曜日19日に1年半ぶりに20000円台を回復し、北朝鮮問題という大きな地政学リスクがあるなかで、4日連続で20000円台を維持している。

こうした資産価格に対するリスクプレミアムが低下傾向にあるといえる中、日銀は、「イールドカーブ・コントロール」の目標である0%を上回って推移している10年国債を放置し、「イールドカーブ・コントロールほど重要でない」としたETFを739億円購入した。

安倍総理の「大義なき解散」に対する批判は強いが、日銀の「大義なき金融政策」に対する批判は全く出てこない。こうした日銀の「大義」が見えない行動によって、資産価格のリスクプレミアムとともに日銀の信頼も低下していることを見逃してはいけない。


【お知らせ】

早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校20017年度秋講座 「投資で失敗しないための知識と思考法」 募集開始

来月からスタートする早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校での秋講座の募集が始まりました。

講座タイトルは「投資で失敗しないための知識と思考法」

投資に必要なのが「相場観」「相場予想」だと思い込んでいる限り、投資はギャンブルに近いものになってしまいます。

投資で失敗しないための必要条件は、タイトルに付けたように「知識」と「思考法」を身に付けることだということを多くの方に認識してもらうことを目標にした講座です。

世の中で投資の常識とされていることを盲目的に受け入れることの危険性を知って頂くことを通して、受講者の方々に「Mind reset」して頂くことが出来たら成功。

ですので、チャート分析のやり方とか、銘柄の選び方など短期的な利益を追求するテクニックをお教えする講座ではありませんので、その点は予めご承知おきください。チャート分析の位置づけなどに関しては触れるつもりでおりますが。

また、株式投資だけでなく、投資信託の魅力や問題点、歴史などのほか、不動産投資における注意点、考え方など幅広い分野についてお話します。

これまで早稲田大学エクステンションセンターでの講座は土曜日の午前中でしたが、今回は水曜日の午後7時から8時半までの90分、全5回の講座になります。

ご興味のある方は早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校のHPからお申し込み下さい。
「投資で失敗しないための知識と思考法」

露呈した「FRBと日銀のレベルの差」

FOMCの結果は、市場の予想通り利上げは先送りしバランスシート縮小プログラムを10月から開始するというものであった。

市場の予想通りの結果を好感してNY株式市場は最高値を更新。結果は市場予想通りであったが、イエレンFRB議長はなるほどと思わせるスパイスを利かせていた(詳細は週末にオンラインサロン「近藤駿介 実践!マーケットエコノミー道場」に投降予定)。

FOMCの翌日に開催された日銀金融政策決定会合。残念ながらFRBと日銀のレベルの差を世界に晒す結果になってしまった。

「Yes Man」であるというだけの理由で審議委員に選ばれた人物が、自分の存在をアピールするかのような行動に出た。

「現行の金融緩和が不十分」というのであれば、現在の金融緩和のどこが不十分でどのような追加緩和策をとるべきなのかを示すのが審議委員の義務であるはずだ。

「異次元の金融緩和」は、政策委員の全員が「Yes Man」になったことで「異次元の金融政策」に向かうことになった。今回の人事は国内では通用しても、国際的な理解は得られないだろう。日銀はとんでもない人を政策委員にしてしまったようだ。


近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

アラフォー独身崖っぷちOL投資について勉強する

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