景気拡大か、景気の拡大解釈か

「足元の景気は『緩やかな拡大に転じつつある』とし、『緩やかな回復基調』とした1月の前回よりも強い表現に変更した」(日経電子版

大手小売業者が軒並み値下げに動き、経営者から「デフレからの脱却はイル-ジョン」という発言が飛び出す中で、日銀が景気判断を引き上げた。

「日銀によると、『拡大』という言葉は経済全体として需要が供給を上回る状態を示す」(同日経電子版

需要が供給を上回り、賃金に上昇圧力が掛かっているという見立てが正しいのであれば、何故物価が下落するのか。

日銀自身が物価見通しを可能修正するなかで、何故景気判断を上方修正するのか。

本当に景気が拡大しているのであれば、何故異常な金融緩和を続ける必要があるのか。何故「出口論」が時期尚早なのか。

黒田日銀の政策、主張は支離滅裂だといえる。

「景気が拡大している」のではなく、日銀が「景気状況を拡大解釈」しているというの実態。もはや手遅れではあるが、せめて誤った金融政策によるダメージを少なくお抑えるために、黒田日銀の「Yes man」ばかりの審議員を集めて議論するのではなく、小売業者の経営者など異なった立場の見方も参考にして、まずは景気状況を正見するところからやり直すべきだ。
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運用能力の向上 vs 投資先企業の価値向上

「野村アセットマネジメントは6月をメドに、投資先企業と対話しながら企業価値を高めることを促す『エンゲージメント』活動を海外で始める。企業との対話活動を手掛けるGES社(スウェーデン)と提携。新興国を含む投資先の600社について、共同で中長期の課題を議論する」(日経電子版

まあ「お疲れ様」としか言いようがない。

OBの一人としては、投資先企業の企業価値を向上させることに労力をかける前に、自らが運用するファンドの価値を向上させるところに労力をかけるべきだと思わずにはいられない。

自らが運用するファンドの価値を向上させられない投資家が、投資先企業の企業価値を向上させられるというのはイルージョンでしかない。

本来運用会社が持つ最大の武器は「投資しない」という選択肢である。企業経営者は運用会社の投資対象に入れてもらうために企業価値向上に努めるからだ。

問題なのは、本来運用会社の最大の武器であるものが企業に対して何のプレッシャーにもなっていないこと。

それは、ベンチマーク運用が主流になってしまったことで、企業サイドから見るとBMに採用されてさえいれば企業価値に関係なく投資対象になるからだ。ベンチマーク運用が主流になったことで、運用会社の運用能力向上が難しくなり、結果として無駄なコストをかけて投資先企業の企業価値向上を図らなければならなくなっている。何とも嘆かわしいことだ。

日本郵政巨額減損処理をめぐる愚行

「日本郵政が、業績が低迷しているオーストラリアの物流子会社を巡り、数千億円規模の減損処理を検討していることが20日、分かった。早ければ2017年3月期決算で処理する方向。年内にも政府が日本郵政の株式を売り出す計画があり、日本郵政は損失を出し切って構造改革の意思を示して市場に理解を求めたい考えだ」(20日付日経電子版

東芝に「会計づくりのDNA」を植え付けたのは誰だったのかがはを明らかにする出来事だともいえる。

2015年11月に上場した日本郵便。成長力の乏しい日本郵便が上場に向けてのお化粧に使ったのが上場半年前に行ったオーストラリアの物流会社トール・ホールディングスの買収だった。この買収を推し進めたのが元東芝の会長、社長であった西室泰三氏。

こうした邪な買収が成功するわけはなく、日本郵便はたった2年で4000億円近い巨額の減損処理を迫られることになった。

上場を控えた2年前にはトール・ホールディングスの買収を成長力嵩上げに利用した日本郵便。今度は年内の株式売り出しを控えて、構造改革の意思を示す道具としてトール・ホールディングスを利用しようとしている。

これは厚かましいを通り越す愚行で、投資家を馬鹿にするもの。

2013年から3年間元東芝社長であった西室泰三氏が経営に当たっていた時代に、日本郵便には「会計はづくりのDNA」が植え付けられてしまったのだろうか。

悲しいことは、西室泰三氏が母校の大先輩であるということだ。

論功行賞の材料になり下がった日銀審議員人事

「『三菱系2人は衝撃だ』。 政府が日銀の審議委員人事を提示した18日午前、あるメガバンク系証券の役員は驚きの声を上げた。提示されたのは三菱東京UFJ銀行の鈴木人司氏と三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士氏。片岡氏はいわゆる銀行枠ではないが、三菱が2つ重なるのは異例だ」(18日付日経電子版

日銀審議員の人事が、論功行賞に使われる愚。日本の金融政策が低次元になるのも当然。

今回の人事で、政策委員会から反黒田派が消えた。今後の政策委員会はシャンシャン委員会になる可能性も。日銀の金融政策が日本経済にポジティブに働く可能性はほぼなくなったといえる。

日銀審議員を目指して政府、日銀にヨイショし続けて来た証券業界のエコノミスト達の中には落ち込んでいる者もいるはずだ。

今回の人事で唯一期待できるとしたら、今後民間エコノミストのコメントが辛口になるかもしれないというところ。それが客観性を持った分析に基づいた主張であれば、今回の論功行賞も無駄ではないということになる。

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中国GDP、6.9%成長???

「中国の2017年1~3月の実質経済成長率は前年同期比6.9%だった。昨年10~12月より0.1ポイント拡大し、約7年ぶりに2四半期続けて成長が加速した」(17日付日経電子版

中国の経済動向は重要だが、中国の経済統計の数字自体にはほとんど見る価値はない。

こうした考えは中国経済を調べた 7、8年前から変わることはない。

4年前に書いたコラム ” 先進国とは「次元の違う」中国~先進国より早く、僅か18日で「GDP確定値」を発表できる国 ” を是非。

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