支持率急落に見舞われた安倍内閣の処世術

「財務省が17日発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比13.4%増の6兆4949億円だった。8カ月連続で前年同月を上回った。米国向けの自動車や自動車部品が堅調に伸び、けん引役になった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4188億円の黒字。…(中略)… 米国のトランプ大統領が問題視する日本の対米黒字額は9.1%増の6470億円で、2カ月ぶりに増えた」(17日付日経電子版 「7月輸出額13.4%増の6兆4949億円 黒字幅は縮小」

「米国向けの自動車や自動車部品」が牽引役となる形で貿易黒字が8か月連続で前年同月比を上回ったというニュースが報じられたその日、

「防衛省は弾道ミサイルを大気圏外で迎撃するイージス艦搭載の迎撃ミサイルを陸上に配備する『イージス・アショア』導入を決めた」ことが報じられた。導入が決まった「イージス・アショア」は1基あたり約800億円。

「こうした方針を日本側は17日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で米側に伝える見通しだ」(17日付日経電子版 「陸上型イージス導入へ、北朝鮮ミサイル備え 概算要求」

地政学リスクが高まる中で、こうした一連の動きは「偶然」なのだろうか。それとも描かれたシナリオに沿った動きなのだろうか。
支持率が急落した安倍内閣がトランプ大統領を敵に回して内憂外患に陥ることだけは避けたいと考えていることだけは想像に難くない。

5月にMONEY VOICEに寄稿したコラム「米国の北朝鮮攻撃は期待薄?トランプのシナリオに翻弄される日本」で指摘した通りの展開に近づいているように思えてならない。

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「悪口男」の企みにはまった安倍総理 ~ お釈迦様と悪口男のお話し

安倍総理が秋葉原で「あんな人たち」と叫んだニュースを見ていてまず思い出したのがシュワルツェネッガーが反対派に卵を投げつけられた時に発した「ベーコンはどこだ?」というユーモア発言。

それと同時に浮かんだのはお釈迦様の逸話。しかし、具体的にどんな内容だったかずっと思い出せないでいた。それが先ほどシャワーを浴びようとした時にふと思い出した。

記憶を頼りにネットで検索してみたところ「いいねニュース」で「お釈迦様と悪口男のお話し」として紹介されていた。

安倍総理にお釈迦様のような対応を期待してはいけないことは十分理解しているが、シュワルツェネッガーのようにユーモアで返すなど、もう少し余裕のある、度量の大きさを感じさせる態度をとって貰いたかったと改めて思った次第。

少し長いが「お釈迦様と悪口男のお話し」をご紹介。(「いいねニュース」からの転記)

**************

あるところに、お釈迦様が多くの人たちから尊敬される姿を見て、ひがんでいる男がいました。

「どうして、あんな男がみんなの尊敬を集めるのだ。いまいましい」 

男はそう言いながら、お釈迦様をギャフンと言わせるための作戦を練っていました。 
 
ある日、その男は、お釈迦様が毎日、同じ道のりを散歩に出かけていることを知りました。 
 
そこで、男は散歩のルートで待ち伏せして、群集の中で口汚くお釈迦さまをののしってやることにしました。
 
「お釈迦の野郎、きっと、おれに悪口を言われたら、汚い言葉で言い返してくるだろう。その様子を人々が見たら、あいつの人気なんて、アッという間に崩れるに違いない」
 
そして、その日が来ました。

男は、お釈迦さまの前に立ちはだかって、ひどい言葉を投げかけます。

お釈迦さまは、ただ黙って、その男の言葉を聞いておられました。
 
弟子たちはくやしい気持ちで、

「あんなひどいことを言わせておいて いいのですか?」

とお釈迦さまにたずねました。 
 
それでも、お釈迦さまは一言も言い返すことなく、黙ってその男の悪態を聞いていました。
 
男は、一方的にお釈迦さまの悪口を言い続けて疲れたのか、しばらく後、その場にへたりこんでしまいました。
 
どんな悪口を言っても、お釈迦さまは一言も言い返さないので、
なんだか虚しくなってしまったのです。 
 
その様子を見て、お釈迦さまは静かにその男にたずねました。 
 
「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった時、その贈り物は一体誰のものだろうか」 
 
こう聞かれた男は、突っぱねるように言いました。 
 
「そりゃ、言うまでもない。相手が受け取らなかったら贈ろうとした者のものだろう。わかりきったことを聞くな」
  
男はそう答えてからすぐに、「あっ」と気づきました。 
 
お釈迦さまは静かにこう続けられました。  
 
「そうだよ。今、あなたは私のことをひどくののしった。でも、私はその ののしりを少しも受け取らなかった。だから、あなたが言ったことはすべて、あなたが受け取ることになるんだよ」

************************

もし安倍総理がこのお釈迦様の逸話を知っていたら、「あんな人たち」発言で多くの国民から「人柄が信用できない」と思われて支持率を急落させてしうこともなかったかもしれません。

安倍総理は、まんまと「悪口男」の策略にはまってしまったということのようです。真摯に反省をすると発言している総理にも是非この逸話を読んで頂きたいものです。

「総理の人柄」を如実に表した記者会見

「安倍晋三首相は3日の内閣改造・自民党役員人事を終え、首相官邸で記者会見した。冒頭、学校法人『加計学園』の獣医学部新設を巡る疑惑や防衛省の南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題などについて陳謝した」(3日付日経電子版)

内閣改造・自民党役員人事を終えた安倍総理が首相官邸で記者会見をした。その冒頭で、加計学園問題や日報問題について異例ともいえる謝罪をし、国民に向かって頭を下げた安倍総理。表面的には真摯に反省している態度を見せた格好だが、謝罪の中身は極めて傲慢なものだった。それは、加計問題や日報問題について謝罪する一方、自身の「あんな人たち」発言に関しては全く触れもせず謝罪もしなかったことだ。

加計学園問題や日報問題に関しては謝罪し、自らの「あんな人たち」発言には一切謝罪しなかったというのは、前者は文科省や防衛省という組織が起こした不祥事であり総理のプライドを直接傷つけることがないのに対して、後者は総理自身のプライドに関わる問題だからだったのだろう。

ご本人は真摯に反省をしているようにうまく演技をしたつもりかもしれないが、組織の問題に転嫁できることに対しては真摯に謝罪する姿勢を見せ、自らの傲慢さが出た発言には謝罪を避けたところに、本当は「自分は悪くない」と思っている総理の本音が透けて見えたようだ。

「あんな人たち」以外の多くの国民から「人柄が信用できない」という評価を受けて支持を失った安倍総理が、組織のガバナンスの問題だけを取り上げて謝罪すれば、「人柄」を疑われた決定打ともなった自らの発言に対しての謝罪を避けても、国民は許してくれる、気が付かないだろうと高を括っているかのような会見をしたところに、総理の「人柄」の問題点が滲み出ているようだ。

内閣改造 ~「お友達内閣」を作る求心力を失った安倍総理による「減点回避 厄払い内閣」

「安倍晋三首相が3日に実施する内閣改造と自民党役員人事の顔ぶれが固まった。麻生太郎副総理・財務相や菅義偉官房長官ら政権の骨格を維持しつつ、人心の一新で反転攻勢を狙ったが、ふたを開けてみると閣僚経験者や各分野に詳しい人材を起用する手堅さを重視した布陣となった。経験不足を露呈し、野党に追及材料を与えない『守り』を固めた一方、目玉づくりには苦慮したようだ」(3日付日本経済新聞「新内閣、目玉づくり苦慮」)

大臣としての資質を疑われた人を外し「人心一新」を目指して行われた内閣改造の顔ぶれは、予想通り地味で華のない陣容となった。今回の内閣改造に関して政治評論家の中には「仕事師内閣」「実務型内閣」と好意的な表現をされる方もいるようだが、素人目には「原点回帰」ならぬ「減点回避の厄払い内閣」。

政権の足を引張り大臣としての資質を欠く人物を「お払い箱」にし、一家言持つ野田聖子氏を総務大臣、河野太郎氏を外務大臣として閣内に取り込むことで「脱お友達内閣」という印象を植え付け、「女難の相」を取り除くために女性閣僚を一人減らし2人としたという完全な「対処療法内閣」となった。

その他を「大臣待機組」と言われる面々から派閥のバランスに配慮して入閣させたため、「目玉」も「華」もないだけでなく、「何をやるための内閣改造」だったのかが伝わり難い内閣が出来上がってしまった格好。

逆説的に言えば、今回の内閣改造が、安倍総理自身以外の政権の足を引張った資質に欠ける大臣を、総理の任命責任を問われない形で閣外に放出することを目的に行われたことが明らかになったということでもある。

「人心一新」したことで内閣支持率の回復を期待する声もあるが、支持率急落の張本人であり内閣の顔である安倍総理自身が変わらない以上、それは希望的観測としか言いようがない。

「総理の人柄」に対する信頼が失われてしまった中での内閣改造の限界は、総理の顔が変わらないところ。また、内閣支持率急落の陰の主役となった昭恵夫人の存在を消すことが出来ないところ。

7月25日付のMONEY VOICEで公開したコラム「内閣改造はなぜ愚策なのか? 安倍総理が「こんな人たち」に負ける理由」でも指摘したことだが、「安倍総理は閣僚の『布陣』を変えることはできても、『夫人』を変えることはできない」ところが今回の内閣改造の限界である。

安倍総理の立場からは内閣の布陣が大きく変わったように見えているかもしれないが、国民の立場から言えば最も印象の強い総理大臣がそのままのなかで地味な顔ぶれが増えただけでは内閣に対する印象は変わるものではない。

今回の「厄払い内閣」が示していることは、自民党内でも「安倍一強」体制が崩れ、もはや安倍総理には「お友達内閣」を作れるような求心力はなく、派閥の力を借りなくては政権を維持できないという現実である。

支持率回復を図るために安倍総理は「政治生命をかけた冒険」に打って出る以外になくなったようだ。「政治生命をかけた冒険」の中身に関する私見は、本日3日付で MONEY VOICE で公開された「『政治生命をかけた冒険」 安倍総理が消費税減税を決断するこれだけの理由」をご覧ください。私見がタイトルになってしまっていますが(笑)。

一線は超えていない ~ 元アイドル国会議員が発した中学生レベルのコメント

「一線は超えていない」

何を中学生のようなことを言っているのだろうか。

彼らの定義では「一線」は超えていないのかもしれないが、世間の常識は超えている。議員としてその時点でOUT!

13歳からアイドルグループで活躍して来た彼女の感覚は、中学生レベルで止まってしまっているのだろうか。

民主主義においては、政治家は言動で有権者を説得し納得してもらわなければならない。そのような立場にいる以上、言動に対して信頼を失った時点で失格。

総理や防衛大臣から、一年生議員まで「誤解」を生む発言が続くのは、こうした点に対する自覚が乏しすぎるからだ。

「ただ、これだけは言わせてください。雑誌のタイトルであるような『略奪不倫』ではありません。断じてないということを言わせていただきます」

「略奪」という言葉に反応するのは、相手の奥様を傷つける意思がなかった純愛であり、この先不倫相手と結婚するかは未定だということを言いたいのだとと思うが、それはどうでもいい問題。

「不倫」の結果相手の家庭が崩壊したら、その後に結婚するか否かに関係なく相手の家庭から夫・父親を「略奪」したことに変わらないのだから。

抜群の知名度を活かして人を集めることを期待された彼女にとっては、選挙運動や政治活動もコンサートと同じノリで行われていたと感じざるを得ない。

国政には何の影響も及ぼさない実に価値のないニュースではあるが、国会議員候補の選び方や有名人なら安易に当選できてしまう現状の選挙制度には一石を投じたニュースだとはいえる。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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