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国際会計基準をリードして来た欧州のストレステスト

注目を集めていた欧州91銀行を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果は、通過しなかったのは僅か7行、不足する資本総額も35億ユーロ(約3,900億円)と、EUが既に決めている緊急融資制度の7,500億ユーロに比較して極めて少額に留まった。ストレステストの結果が市場の予想よりも少額なものに留まったのは、銀行が取引する(売買目的)債券について欧州諸国のソブリン債に絡む損失を査定したものの、償還まで保有する(満期保有)債券については損失査定の対象としなかったことが最大の理由。

統一通貨ユーロを守るために、欧州の金融システム不安の再燃を絶対に避けなくてはならないEU諸国によるストレステストが甘めになることは予想されていたことだが、発表された数字はその予想をはるかに下回るもの。欧州政策当局は、金融システム全体に影響を及ぼすことのない、既に公的管理下に置かれている金融機関や地方金融機関を生贄にして、欧州の金融システムには問題は無いことを市場にアピールし、問題の鎮静化を図ろうとした格好だが、余りに査定を甘くし過ぎたことにより、既に市場は疑心暗鬼になっている。

透明性の高い国際的な会計基準IFRS(国際財務報告基準)を主導して来た欧州が、ギリシャ国債などを「満期保有債券」に分類することで、評価を「取得原価」にしてストレステストを骨抜きにしてしまうというのは、とても皮肉なことである。今回の都合の良い会計基準を利用した欧州各国に、日本特有の「持ち合い株」に時価評価を迫る資格はあるのだろうか。何時までも「欧米流がグローバルスタンダードだ」というまやかしの教義を盲目的に信仰してはならない。

週末に発表された米商品先物取引委員会(CFTC)の報告によると、ヘッジファンドなど大口投機家による20日時点でのユーロの売越し幅は、売建玉が減少する形で24,251枚(買玉55,008枚、売玉79,259枚)と今年1月以来半年ぶりの水準まで減少した。世の中のポジションは軽くなって来ており新たなユーロ売りポジションが作りやすくなって来ている。こうした中で発表された今回の甘めのストレステストに週明けの金融市場がどの様な反応を示すか興味深い限りだ。


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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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