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金融市場の流れを変えた「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」

週明けの日経平均株価は、中国の追加金融引き締め懸念を受けて中国を中心にアジア株式市場が軟調に推移する中、底堅い展開となった。成長力の高いアジア市場が今月に入り調整局面を迎えているのに対して、昨年まで低空飛行を続けて来た日本の株式市場が堅調さを保っている。

金融市場の流れを変えたのは、「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」。「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」は、各国政府にとって無視し得ないものとなっている。チュニジアの政権が崩壊したように、「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」は政権の基盤を脅かすもの。
チュニジアと「若者の就職難」「長期独裁政権」という共通点を持つ世界第2位の経済大国中国も、「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」には神経質にならざるを得ない。これを反映したのか、中国人民元基準値は、米中首脳会談という政治イベントが終わった今日も最高値1$=6.5883元に設定された。2011年のCPI政府目標が+4%、現在預金金利が2.75%ということを考えると、実質マイナス金利を解消する為には後1.25%の利上げが必要。中国の政治体制を考えると、住宅バブルよりも食料品価格の上昇によるインフレの方が政策当局にとってずっと深刻な問題。こうした点を考慮すると、輸入インフレを阻止する元高と、投機を抑制する為の利上げは必至の情勢。

一方、雇用の回復が遅れている米国でもガソリン価格の上昇などは政治的には無視し得ないもの。株価上昇による資産効果もありフローの景気は回復傾向にあるものの、住宅や雇用問題の根本的な問題が未解決な中での生活コストの上昇は、政権の信頼、強いては来年のオバマ大統領再選にも影響を及ぼしかねない。
米国のイールドカーブのスティープ化(長期金利の上昇)が顕著になって来たことから、FRBも何時までも「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」を無視するわけにはいかない。今年からQE2に否定的な理事が投票権を得たFOMCが今週2QE2の期限が切れる6月以降も過剰流動性の供給が継続されるかは不確かだ。
欧州がインフレ懸念を背景に利上げを匂わしたことで為替市場ではユーロが大幅上昇、ドルが下落したが、米国が過剰流動性供給を絞ることになれば、為替市場の流れはまた大きな変化することになる。

昨年までは「先進国のデフレ」が金融市場の大きなテーマであったが、足下の金融市場のテーマは先進国を含め「一次産品の価格上昇を背景としたインフレ懸念」に変わって来ている。何時までも「デフレ」が大きなテーマであるのは、消費税増税などデフレ政策に力を入れている国くらいである。




近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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