鳥肌の立つ政治~「財務大臣」と「幹事長代行」が同格なんですか…

「これからマニフェストをていねいに作っていく、あるいはその政策の発信をしていくという意味で期待をこめて政調会長をお願いした」

野田総理は、今回細野原発担当大臣を政調会長に登用した人事のねらいについて、このように述べた。「原発事故の仕事を最優先したい」という理由で代表選への出馬を断念した細野新政調会長も、「福島の問題は一番気になっており、大変悩んだが、党全体でサポートをすることができて、私自身がその先頭に立てるのであればということで、最終的に『やらせていただきます』と申し上げた」と述べ、「原発事故の仕事を最優先」という前言をあっさりと翻した。

それにしても、「駅前演説の雄」であったはずの野田総理が、細野新政調会長の「発信力」に期待するというのも情けない限り。「駅前演説」で鍛え上げた野田総理の無意味なキャッチフレーズは、国民の心に全く響かず、何の「発信力」も発揮しなかったということを自覚したのだろうか。

「原発事故の仕事を最優先したい」という理由で総裁選出馬を断念した細野新政調会長。しかし、原発事故担当大臣として、政府のエネルギー環境会議で決定した「三〇年代の原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という「新エネ戦略」を、9月19日の閣議で「不断の検証と見直し」の文言だけに骨抜きし、戦略そのものの閣議決定見送りに加担した時点で、その化けの皮は剥がされている。要するに「このルックスなので、首相になっても支持率は上がらない」というドジョウ内閣のお化粧役。「ドジョウ総理」が細野新政調会長に期待しているのは、「頭」ではなく「顔」である。

マニフェストを丁寧に作っていく段階で、「三〇年代の原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という「新エネ戦略」を、新政調会長がマニフェストにどのように反映させるのか、そして国民に対してどのような詭弁を講じて「発信力」を発揮していくのか、お手並み拝見である。

今回の民主党人事で、細野原発担当大臣の政調会長起用以上に驚かされたのは、幹事長を補佐する幹事長代行に安住財務大臣が起用されたこと。「経済音痴財務相」の交代自体は国益に適うものかもしれないが、「財務大臣」と「民主党幹事長代行」が同格であるかのようなこの人事は、野田内閣にとって「財務大臣」が決して重要閣僚ではないことを表したもの。もし、「財務大臣」が内閣の最重要ポストであるのであれば、「幹事長代行」への登用は左遷になるはずである。

安住財務大臣、細野原発担当大臣が党役員に就いたことで、来月1日にも実施される内閣改造が、予想外に大幅改造になる可能性が取り沙汰されている。しかし、今回の党役員人事で明らかになったことは、円高やデフレ経済からの脱却の先陣に立つはずの「財務大臣」という重要ポストが、「幹事長代行」と同格と見做される野田内閣では、「失われた20年」からの脱却など望むべくもない、ということである。

「本当に久しぶりに死力を尽くした鳥肌の立つような相撲を見ることができた」

大相撲秋場所で、2場所連続の全勝優勝で横綱昇進を確実にした大関日馬富士関に内閣総理大臣杯を授与した野田総理は、土俵上でこのように大関の健闘をたたえた。しかし、こうした発言をする総理に日本国民が見せられているのは、野田総理の「死力を尽くして権力に居座る姿」である。

「このルックスなので、首相になっても支持率は上がらない。だからすぐに衆院解散はしない」

「近いうちに国民の信を問う」という発言などどこ吹く風と言わんばかりに1年前の代表選挙後の発言を「死力を尽くして」実践しようとする野田総理。国民はいつまで「鳥肌の立つような政治」に付き合わされるのだろうか。
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近藤駿介

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Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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