2016/12/29
ミセス・ワタナベの5割が損失 ~ What about it?
「この1年で損失が出た個人は約5割」(28日付日経電子版「ミセス・ワタナベ、苦難の1年 約5割が損失」)所詮ゼロサムゲームなのだから、5割が損して、5割が得したとしても不思議なことではなく、むしろ当然。「アベノミクスが始まった直後の13年には損失を出した投資家が3割程度」(同)だったことが異常だっただけのこと。
重要な変化は、中央銀行が異常な介入を続けている中で損失を出す投資家が増えてきていること。これは、中央銀行の神通力が落ちてきていることを証明するものでもある。こうした変化を市場参加者や政府・日銀がどのように感じるかが重要な部分。
「英国民投票の読みが外れ、トランプ相場でのドル高に逆張りで挑んだことなどが『敗因』」(同)
こうした短期的な読みで勝負するのは「投機」であって「投資」ではない。この「投機」と「投資」の違いを考える参加者が増えると、損失を出す投資家の比率は自然と下がっていくはずだ。
「投機」は誰にでも出来るが、「投資」は誰にでもできるわけではない。
FXをやる、株式に投資する…、これだけで「投資家」になれるわけではない。来年歳男を迎える身としては、2017年はこうした当たり前のことがもっと社会に浸透するよう活動をしていきたい。
年明け1月21日からは早稲田大学エクステンションセンター八丁堀校で、「アベノミクスを通して学ぶ金融・経済 ~ 金融の仕組みとルールが分かれば経済が見える」を開催するので、ご興味のある方、金融・経済の基本を学びたい方は是非ご参加ください。