2018/01/31
日銀副総裁「再任されないと確信」?~ Not 「再任されない」but 「fired!」
「再任はされないと確信している」(31日付日経電子版 「岩田日銀副総裁 『再任されないと確信』」 )副総裁就任時に「2年程度で2%の物価安定目標を達成する」という結果が出せなければ責任を取ると豪語していた方が、「再任されないと確信している」とはどういうことでしょうか。「再任」される可能性があるほど信頼されていると思っていたのであれば勘違いも甚だしい。
これまで首にならなかったことの方が金融史上の(悪しき)奇跡ともいえる。トランプ大統領だったらとっくに「You're fired!」と叫んでいたはずだし、自ら結果を出せなかった非を認めてとっくの昔に辞任していても不思議ではなかったはずだ。
「現行の金融政策は『副作用が最も小さい、最適な金融政策』」(同日経電子版)
金融政策の恐ろしいところは「効果」も「副作用」も表れるまでに時間がかかるところ。それ故に「誤った政策」を延々と続けるリスクを秘めている。さらに恐ろしいことは、異次元の金融緩和が「効果」を発揮しなかったからと言って、「副作用」も出ないとは言えないことだ。「効果」がなくても「無害」であれば時間の無駄以上の「副作用」はない。しかし、一般的には「効果」がなくても「副作用」には悩まされることになる。
「効果」が出るか否かに関わらず、誤った金融政策の「副作用」は社会全体に及ぶ。黒田日銀による異次元の金融緩和は「効果」がなかい政策だったが、「無害」な政策だったわけではない。それゆえ日本社会は近い将来異次元の金融緩和が招く「異次元の副作用」に苦しめられることになるはずである。残念ながらそれは社会全体で受け止めなければならない。