女性役員登用要請 ~ 日本は何時から「都合のいい計画経済」になったのか

「政府は上場企業に女性取締役の起用を促す。今春に改定するコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に方針を示し、取締役会に女性がいない企業は投資家に理由を説明するよう求める。上場企業の役員に占める女性の割合は、欧米は2~3割だが日本は4%弱にすぎない。国際標準に近づける仕組みづくりが急務だった」(27日付日経電子版 「女性取締役増を統治指針に 政府方針、企業に説明責任」

何を寝ぼけたことを…。

総理による賃上げ要請といい、全くナンセンスなお話。民間の自由な発想に委ねた方が経済は効率化、発展するという考え方はどこに行ってしまったのか。知らない間に日本は政府が「都合のいい時に、都合のいいところにだけ」企業の行動に介入する「都合のいい計画経済」に近付いている。嘆かわしいことだ。

政府のこうした不必要なお節介は、今後役員に登用される女性だけでなく、既に実力で役員になっている女性さえも「特別枠」での登用だと色眼鏡で見られかねない状況を生む失礼な話だ。また、組織に「特別枠」の存在を感じさせれば、韓国の女子パシュートのようなリスクも顕在化させかねない。

企業に「説明責任」を求めるとなっているが、総理自らが国会で国税庁長官の人事に関する質問に対して「適材適所」という模範解答を繰り返しているので、実質的に企業側には何の「説明責任」もないのと同じ。

官僚の世界は、「キャリア組」と「ノンキャリア組」に明確に分かれているが、「女性役員登用要請」は民間企業に「女性」という「キャリア組」を作ることを要請するに等しい。

上場企業にお願いするよりも前に、官邸が人事権を握っている霞が関で女性幹部を増やし、組織が効率的、効果的になるかの実験をしてみるべきだ。国税庁長官という絶好の実験材料があるのだから。

政府が示す女性登用を義務付けるかのような方針は、政権の人気取りにしか見えない。本来政府からの干渉に反対するはずの財界から反対の声が上がらないのは、「女性役員登用」が、財界が強く要望している「働き方改革」を今国会中に成立させる見返りになっているからのように思えてならない。

この仮説が正しいとすれば、それは財界にとって「働かせ方改革」の方が「女性役員登用」よりもずっとメリットが大きいということの証左だといえる。

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