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「大規模会場予約 67% 空き」はお役所仕事の想像力欠如 ~ なぜ「高齢者」に拘り続けるのか

「防衛省は14日、国が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで自衛官や警察官らへの接種を始めると発表した。65歳以上の高齢者を対象にした予約に空きがあり、接種能力を有効活用する」(14日付日経電子版 「自衛官・警察官にワクチン接種 大規模会場予約67%空き」

10日付のコラム「大規模接種センター予約枠空き ~ 対象地域拡大と年齢拡大とどっちが効率的か」 で指摘した通り,対象地域を全国に広げたところで問題は解決しなかった。お役所仕事の想像力の低さを象徴する出来事。

自力で大手町会場に行ける非高齢者に対象を広げた方がワクチン接種率を高めるうえで効果的なことは明らか。職域接種が出来ない中小企業、フリーランスを対象にするなどいくらでも打つ手はある。

地方の高齢者のワクチン接種を高めても、日本社会全体としては経済活動は再開できないし日常も取り戻せない。病床逼迫に歯止めがかかりつつ状況に来た今こそ日常を取り戻すためのワクチン接種に舵を切るべき。

東京オリンピックを開催するつもりなら、年齢に拘らずに首都圏優先でワクチン接種を進めるくらいの大胆さが必要だ。

そもそもワクチン接種を実施するのは集団免疫を獲得することが最大の目的。そうだとしたら、重要なのは「高齢者のワクチン接種率」よりも「国民全体のワクチン接種率」のはずだ。いくら高齢者の数が多いと言っても、「高齢者のワクチン接種率」だけを高めたところで国全体としての集団免疫を獲得するすることにはならない。病床逼迫解消が優先順位が高かった時期には高齢者のワクチン優先接種は合理的判断ではあった。しかし、病床逼迫リスクが軽減し始めた今、「国民全体のワクチン接種率」を上げて集団免疫獲得を急ぐ方が政策的優先順位は高いはずだ。

それにも関わらず日本のメディアは「県別高齢者のワクチン接種率」は詳細に報道するのに、「国民全体のワクチン接種率」については一切報じない。それは各県知事の能力に差があることを示そうとしいう政治的意図があるのではないかと思えてしまうほどだ。

状況の変化に関係なく何時までも同じ政策に固執し続ける政府の姿は、下手なファンドマネージャーが環境の変化に関係なく同じ戦略をとり続けている姿とダブってしまう。

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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

著書

202X 金融資産消滅

著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

著書

中学一年生の数学で分かるオプション取引講座(Kindle版)

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