脛に傷を持つ者同士の空しい論戦 ~「知らなければ違法性はない」or 「バレなければ違法性はない」

「実際に知らなかったわけでございますから、これ以上、言いようがないわけでございます」

「補助金受領は別法人の子会社で違法性はない」

予算委員会での「政治とカネ」に関する論戦は、追及する方も、追及される方も共に脛に傷を持つという、脛に傷を持つ者同士の空しい議論になってしまいました。

確かに政治資金規正法には「何人も、第一項又は第二項の規定に違反してされる寄附であることを知りながら、これを受けてはならない」と記されていますから、「知らなければ違法性はない」ということになります。

しかし、「知らなければ違法性はない」ということは、献金を受ける際に相手のことを調べない理由にもなっているはずです。調べて知ってしまえば違法性を問われることになり、政治献金を受取ることが出来なくなるからです。

「献金を受ける際、補助金を受けた企業かどうか把握しきれないので、行政側から企業側に通達したほうが徹底すると思う」

自らが代表を務める政党支部が国の補助金を受けた企業から献金を受け取っていたことを明らかにした甘利経済再生担当大臣は、再発防止策に関してこのようにコメントされています。

しかし、献金する企業側に通達を出すことが再発防止策になるでしょうか。献金を受ける政治家が「知らなければ違法性はない」ということは、もともと献金する企業側が違法行為に問われることはないということですから、こうした通達は再発防止策になりません。

再発防止策になる通達にするのであれば、「国から補助金の支給を受けた企業がその事実を告げずに政治献金をした場合は違法行為になる」という「違法性」を問うものにする必要があります。

しかし、そもそも、献金する企業側の良識に委ねるというのでは再発防止策にはなり得ません。最も簡単な再発防止策は、各省庁が補助金を支給した法人のリストを作り、データベース化することで、政治家が「知ることのできる環境」を整備することです。

そして、「リストに載っている企業からの献金は違法性がある」と定めれば、「知らなければ違法性はない」という」という言い訳を封印できることになります。

政治献金を受ける政党支部等は、献金を受け取る際にこのデータベースにアクセスして献金を受け取っていい法人か確認すればいいだけになりますから、確認を怠って献金を受けてしまった場合は「知らなくても違法性がある」ということになります。

「知ることのできる環境」を整備しても抜け道はあるでしょうが、国会で「知らなかったから違法性はない」という空しい議論を聞かされることは減るはずです。

民主主義を維持するためにはコストが掛かりますし、それを賄う一つの手段として企業献金が必要だという主張も尤もなものです。

しかし、気になるのは、「知らなければ違法性はない」はずの献金が発覚した場合、違法性は無いにも関らずほとんどの政治家がその献金を返金することです。この数日だけでも複数の閣僚が「違法性のない献金」を企業に返金しました。

こうした政治家の行動は、有権者にもともと後ろめたさのある献金であったということと、政治家の行動基準は「知っていたか知らなかったか」ではなく「バレるかバレないか」にあり、「バレなければ違法性は無い」、「バレれば違法性がある」ということを感じさせるものえす。

さらに、政治活動に必要であるから受取った献金であるはずなのに、直ぐに返金する資金を用意でき、返金しても政治活動に全く支障が起きていないことです。こうした現実を見ていると、本当に政治活動に必要な献金だったのか疑問を抱いてしまいます。

本来予算を審議する予算委員会の場で、水掛け論にしかならない「政治とカネ」の議論に時間を割かずに済むように、是非「過去1年間に国からの補助金を受け取った法人」をデータベース化してほしいものです。

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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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