予測しやすくなるGDP ~ 付加価値を失ったエコノミスト

「内閣府は9日、国内総生産(GDP)速報で公表していない民間企業の在庫の内訳を開示すると発表した。民間調査機関などの間で『GDP改定値を予測する際に在庫の判断が難しい』との意見が多いことに対応する。民間からは『より精緻な予測をつくれるため、市場への影響も和らぐ』(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の宮崎浩シニアエコノミスト)と評価する声が出ている」(10日付日本経済新聞 「GDP 民間予測しやすく」)

政府も民間のエコノミストの能力の低さに匙を投げたということでしょうか。これまで公表して来なかった民間企業の在庫の内訳を開示することを発表しました。

消費増税実施以降、民間のGDP予測の精度の低さは目を覆うばかりです。2014年7-9月期のGDPは水準どころか、プラスマイナスが逆(民間予測年率2.4%増に対して速報値はマイナス1.6%)という悲惨な結果となりました。

また、9日に発表された2014年10-12月期のGDP改定値も、民間の予想2.2%に対して年率1.5%と大きく外れる格好となりました。しかも、この2.2%増という民間予想は速報値段階では年率3.5%だったものを下方修正したもの。それでも大外れという結果になりました。

民間予想が大きく外れた原因を、内閣府も民間エコノミストも「民間企業の在庫」にあるかのようなコメントをしています。確かに、在庫の影響を数字として正確に把握することは難しくても、在庫の動向を含めて予測するのがエコノミストの能力であるはずです。

エコノミストの成績があまりに悪いので内閣府はカンニングを許可することにしたようですが、それによって民間エコノミストの予想の正確性が上がるのか注目です。

「マーフィーの法則」の中に「スペンサーのデータの法則」というのがあります。

1.十分なデータがあれば、誰でも判断を下せる。
2.有能なマネージャーは、データが不十分でも、判断を下せる。
3.完璧なマネージャーは、何も知らなくても、職務を全うできる」

この「スペンサーのデータの法則」に従えば、日本のエコノミストは「有能」ではないということです。そして、内閣府にカンニングを許可して貰うことで精緻な予測を出来たとしても、それは「誰でも出来る」ことですから、今のエコノミストにほとんど付加価値がないことになります。

エコノミスト達がこぞって政府の政策を正当化するような予測を繰り返して来たことによって、エコノミスト達は自分達の付加価値をなくしてしまったのかもしれません。

内閣府にカンニングを許可して貰ったことで、エコノミストは「誰でも判断を下せる」予測を外すリスクだけを負うことになったことに気付いているのでしょうか。

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近藤駿介

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