「神学論争」に終始した安保法制議論 ~ 「民意」とは何か

国民の多くが今国会での成立に反対する中での安保法案の可決されました。

安保法制の議論を聞いていて残念に感じたことは、「日本を巡る安保環境は変化しているから集団的自衛権が必要だ」vs「戦争法案反対、憲法9条を守れ」という神学論争に終始してしまい、議論が全くかみ合わなかったことです。

「安全保障環境の変化」が何故「個別的自衛権」でなくて「集団的自衛権」必要論に繋がるのか、そこにはかなりの「論理の飛躍」「論理のすり替え」を感じずにはいられませんでした。

一方、「憲法9条を守れ」という主張も、「憲法より前に守るべき国がある」と感じている有権者の眼には、「思考停止」に陥っているように映っていたように思えてなりません。

今回の件で改めて考えさせられたのは、「民意」とは何かということです。

「決めるべき時に採決(多数決)で決める」というのは民主主義の当然のルールですが、そこには国会の議席数が「民意」を反映しているという前提がなければなりません。

小選挙区で48%の得票率で75%の議席を獲得したり、絶対得票率でみれば、比例代表選挙で16.99%、小選挙区で24.49%に過ぎない自民党が6割の議席を得たりするという「民意と議席数のねじれ国会」を生み出した現在の選挙制度こそが、今回の安保法制問題の根本にあったように思えてなりません。

強引と言われようと法案成立を目指した与党と、あの手この手で法案阻止を目指した野党が、これまで最高裁から憲法違反、違憲状態と指摘されている「1票の格差是正」に同じ位のエネルギーを発揮してきていれば、今回のような騒動にはならなかったのではないかと思います。

安保法制が事実上決着したいま、「民意と議席数の捻じれ国会」を解消するために国会議員には自らの利害を超えて「1票の格差是正」問題に今回見せた執念を見せて欲しいと思います。そうでない限り日本はこの先も「神学論争」を繰り返すことになると思います。

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近藤駿介

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