忘れられた「Sell in May」 の結果検証

5月15日から6月1日まで日経平均株価が12連騰を記録したことで、当時、多くのメディアは日本経済の穏やかな景気回復のまえに、「Sell in May」 は杞憂に終わったという報道をしていました。

しかし、こうした見方は、「Sell in May」という相場の格言を、「5月に相場は下がる」という誤った解釈に基づいた指摘でした。そのことについてはZUU Onlineさんに提供した6月1日付の記事「『Sell in May』の知っておきたい本当の意味」でも指摘させてもらいました。

「Sell in May」という相場の格言には続きがあり、正しくは

「Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day. 」

「5月に売ってLeger day(9月第2土曜日)まで戻って来るな」

というものです。

5月に日経平均株価が11連騰(結果的に12連騰)したことで、マスコミはこぞって間違った解釈に基づいて「Sell in Mayは杞憂に終わった」と報じました。

誤った解釈に基づいた報道でしたので当然のことではありますが、「Sell in May」という相場の格言が実際にどうだったのか、検証したメディアは皆無です。

今年のLeger day は9月12日(土)でしたので、5月からこの日までと、その後で検証してみましょう。

まず、NYダウですが、5月末時点では18,010ドル、5月の終値平均値は18,124ドルでした。これに対してLeger day の翌営業日(14日月曜)の終値は16,370ドル、そして、9月14日から10月20までの終値の平均は16,668ドルとなっています。

8月に世界同時株安が起きたこともあり、5月の終値平均値と比較すると、Lager day 以降の株価は 1,456ドル、8%強低い水準にあります。

また、5月に景気回復を追い風に11連騰を記録した日経平均は、5月末の終値は20,563円、5月の終値平均値は19,974円でした。これに対して9月14日の終値は17,965円、9月14日から10月20日までの終値平均値は18,001円となっており、現在の株価は5月の終値平均値と比較して2,008円、10%強低い水準にあります。

こうしてみると、「Sell in May」という相場の格言を、「5月に相場は下がる」と誤った解釈していた投資家にとっては「杞憂」であるり、投資機会を逸するものでしかなかったかもしれませんが、内容を正確に知っていて実行した投資家にとっては、損失を逃れるありがたい格言になりました。

ネット社会になり、様々な情報が飛び交う時代になりましたが、「Sell in May」という相場の格言は、メディアで当たり前のように報じられていることであっても鵜呑みにせず、自分の眼で確かめることが重要であることを示してくれたようです。

流される情報を鵜呑みにするのではなく、労を惜しまず自分の眼で確かめる投資家に恩恵があったという事実は、「自己責任原則」が問われる時代における投資家のあり方を示してくれたと考えるべきかもしれません。

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近藤駿介

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Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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