ファンダメンタルズ分析の目的は何か

投資には「ファンダメンタルズ(経済基礎的条件)分析」が必要だと言われている。

しかし、ファンダメンタルズ分析の目的が何かについてはほとんど語られることはない。

投資家の中には、ファンダメンタルズ分析によって将来の株価や為替を予想することが出来るからだと思っている人も多いのではないだろうか。

しかし、こうした認識は正しくない。

確かに、アナリストやエコノミスト達はGDPや企業業績に基づいて目標株価などを算出している。しかし、これは多くの投資家が期待する「理論株価」ではなく、単なる「営業用株価」である。

一言でいえば、「理論株価」というのは存在しない。それは、「理論株価」が投資家の数だけ、要するに無数に存在するからだ。無数に存在するということは、存在しないということと同じだ。

では、何故投資家はファンダメンタルズ分析を行うのか。

それは、金融政策動向を探るためである。

黒田日諷経総裁が「ポートフォリオ・リバランス効果」を掲げて、無理筋ともいえる金融緩和を推し進めているように、金融政策は政策当局が公然と市場に働きかけることが出来るものだ。

多くの投資家は予想株価に強い関心を示すが、投資する上で最も重要な要素は「金利」である。しかし、この「金利」自体に関心を持つ投資家が少ない。投資家が金融政策に注目するのは、結果的に株式市場や為替市場に影響を及ぼすからだ。それ故、金融政策の本質の部分の理解はなかなか進まない。

投資において最も重要な「金利」に中央銀行が直接働きかけるのが金融政策。そして、中央銀行が公然と市場に介入することが許される唯一のものでもある。

一方、中央銀行にとって市場を動かすことを目的に金融政策を行うことはタブーとなっている。それは、金融政策が金融市場の後追いになってしまうからだ。

この10年間、主要国の中央銀行は市場との対話に力を入れて来た。市場との良好な対話が成り立つための条件は、客観的ファンダメンタルズ分析の結果が市場と中央銀行で一致することだ。市場と中央銀行が同じ経済指標を見て、同じ方向性を持っていることが確認できれば市場は中央銀行を信頼し、市場は安定的に推移することになる。

市場と中央銀行の見解が分かれたときには市場には市場は大きく動くことになる。そして、この不一致の回数が増えれば増えるほど、市場の中央銀行に対する信頼感は失われていうことになり、最終的にはファンダメンタルズ分析が軽視されるようになる。分析しても回答が一致しないのだから。

金融市場と中央銀行との間の不一致は、市場を驚かせ、短期的に市場を大きく動かす原動力になる。市場の動揺は一見すると、「中央銀行の力」が示す出来事のように映る。しかし、それは中央銀行に対する信頼を失わせていくもろ刃の剣でもある。

今週はFOMCと日銀金融政策決定会合が開催される金融政策Weekである。市場との対話に腐心してきたFRBと、市場に驚きを与えて市場を動かすことに腐心してきた日銀。この両極端の姿勢を見せて来た中央銀行の判断に市場はどのように反応するのか、こうした視点から日米の金融政策をみるのも興味深いものだ。

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