「マイナス金利の効果を見極める」という詭弁

「日銀の黒田東彦総裁は28日、金融政策決定会合後の記者会見で、2月に導入したマイナス金利政策について『(経済や物価に対する)効果の浸透度合いを見極めていくことが適当だ』との考えを示した」(29日付日本経済新聞「マイナス金利『効果見極め』」)

このような中央銀行の詭弁が罷り通ってしまうところが問題。

「マイナス金利政策」は、3年間続けて来た「異次元の金融緩和」の延長線上にあるもの。したがって、まず「異次元の金融緩和」の効果検証をしなければならない。「異次元の金融緩和」に効果がないのであれば、その延長にある「マイナス金利政策」が効果を発揮することはないのだから。

「異次元の金融緩和」の政策効果検証を避けるために「マイナス金利政策」に踏み込み、「マイナス金利政策の効果を見極める時期」というのはデタラメな論理。

円安が限界に達し、鉱工業生産(1~3月期)もマイナスになり、企業業績が悪化して来ていることを考えると、アベノミクスが掲げた「トリクルダウン計画」は破綻しているといえる。

それは「トリクルダウン」という言葉がもはや死語になっているところからも明らかなこと。

それを反映するように、実質消費支出は大幅に減り、物価がマイナスに片足を突っ込んで来た。

有効求人倍率が1倍を超えていることが雇用情勢改善のPR材料に使われているが、所詮「求人」でしかない。東芝が1万4000人超、シャープが1000人規模の人員削減を行い、さらに地銀の合併等で人員削減が必至の情勢のなかで、幾らでも脚色の出来る「求人」統計で必死に「雇用環境改善」をアピールする姿は滑稽でもあり、悲しくもある。

因みに、東芝とシャープ2社の人員削減数は、足下の常用有効求職者約130万人の1%以上の相当する規模。

これ以上何を見極めようとするのか。これまでの実績で正しい景気判断、金融政策がとれないのだとしたら、中央銀行総裁の資質に問題があるということ。

1.十分なデータがあれば、誰でも判断を下せる。
2.有能なマネージャーは、データが不十分でも、判断を下せる。
3.完璧なマネージャーは、何も知らなくても、職務を全うできる。
(マーフィーの法則~スペンサーのデータの法則)

この法則に従えば、日銀総裁は「有能なマネージャー」のレベルに達していないということになる。

結論が既に見えているマイナス金利政策の効果見極めは、結論を先延ばしにしたい日銀総裁に任せて、国民は日銀総裁の資質の見極めを早急に行う必要がある。こちらの結論を先延ばしにすればするほど、日本経済は疲弊するのだから。

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近藤駿介

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