遠のく「物価安定目標」と「辞任」

「金融緩和を縮小するということはありえない」(4日付日経電子版 ~ 日銀岩田副総裁、総括検証「緩和縮小はありえない」)

「異次元の金融緩和」の理論的後ろ盾となっている岩田副総裁は、強気の姿勢を崩していないようだ。

だが、教科書の中の経済と、実際の経済は全く違う。

教科書の中の住人は学者だけだが、現実社会を動かしているのは一般人であって学者ではないからだ。

教科書の世界の住民である経済学者の間で評価の高い立派な理論が現実の社会で通用するとは限らないのはそのためだ。

「異次元の金融緩和」はその代表例。

岩田副総裁は「金融緩和を縮小するということはありえない」と強気の姿勢を貫いているようだが、「ありえない」としているのはあくまで「金融緩和の縮小」であって、その手前の「金融緩和の規模拡大の停止」ではないところがミソ。

「量や質(の買い入れ額)を減らすような金融引き締めはしない」という発言が、「引き締め」の前に実施されるはずの「緩和打ち止め」に備えた言い訳作りのように思えてならない。

「消費者物価を2年以内に2%に引き上げるという目標が達成できなければ、辞任する」と豪語して副総裁に就任した副総裁は、己の言動に責任を取るつもりがあるのだろうか。

「2%の物価安定の目標が達成できていないことについて説明責任を果たしていく」(同)

「金融緩和万能論」信仰学者である副総裁の発言からは、責任を取って辞任する覚悟は全く伝わってこない。

教科書の世界では、今のように結果を出せない状態でのうのうと職に留まれるというのが常識なのだろうか。

己が信じている理論が通用しないという点では、教科書の世界の住民には現実社会は厳しいかもしれないが、結果が出なくても責任をとる必要がないという点においては、現実社会はパラダイスに違いない。

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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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