投資先との定期対話 ~ 運用パフォーマンスを上げられないGPIFによる国民向けパフォーマンス

「公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、投資先企業との定期対話を始める。日産自動車やエーザイ、オムロンが幹事社となり、9月に初会議を開く。毎年2回程度開き、企業活動の理解を深めて運用成績の向上につなげる」(15日付日本経済新聞 「投資先と定期対話 公的年金、運用に生かす」)

全くナンセンスなお話。

「運用に生かす」というが、GPIFは運用会社に運用を委託しており、直接企業に投資する立場にない。そうした立場のGPIFがなぜ投資先企業との直接対話をする必要があるのだろうか。

この対話を「運用に生かす」として、GPIFが委託先に投資対象の指示をしたら、投資一任契約を犯す行為にもなりかねない。

余裕銘柄の開示や、個別企業の投資判断権を持たないGPIFによる投資先との定期対話などはコストの無駄遣いでしかない。

2014年10月に「GPIF改革」と称した無意味な「基本ポートフォリオ変更」によって、2012年度に222億円、運用資産に対する手数料率0.02%であったGPIFの管理運用手数料は、2015年度には405億円、手数料率0.03%に上昇してきている。

「基本ポートフォリオ変更」によって海外資産への投資割合を増やした(海外株式12%⇒25%、海外債券11%⇒15%)ことで、117億円であった海外資産の運用手数料が、261億円へと倍以上に膨らんだからだ。

海外資産運用に関する運用手数料が大幅に上昇する中で、個別企業の投資判断権限を持たないGPIFが国内株式の運用においても無用なコストを掛けるという判断は、GPIFの運営が今でも「親方日の丸」という意識の下で行われていることを物語るものである。

保有銘柄の開示といい、本質的な問題とは関係のない国民向けパフォーマンス、アリバイ工作ばかりに精を出す姿勢こそ、「GPIF改革」によって改めるべき点である。

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近藤駿介

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