今出来る「全ての政策を打ち出した」日銀の「異例の措置」

日銀が、自称「異例の措置」を盛り込んだ金融緩和策を打ち出した。1%程度の物価安定が展望出来るまで「実質ゼロ金利」を継続することに加え、5兆円の基金創設による長期国債やREIT、指数連動型上場投資信託(EFT)などを含む多様な金融資産の買い入れが「異例の措置」の主な内容。

0金利も、リスク資産の買取りも、過去に実施した政策があり、これを以て「異例の措置」というのはやや大げさな表現。異例と思えるのは、正しくは「名目金利0%」か、直近の消費者物価指数は前年同月比-0.9%であるから「実質0.9%金利」と表現しなくてはならないところを、わざわざ「実質ゼロ金利」と表現したこと。さらに、「1%程度の物価安定が展望出来るまで」と、FRBに続いて、あたかもこれまで日銀が採用を拒否して来たインフレターゲット論を受け入れたかのような表現をしたこと。今回の日銀の「異例の措置」は、その「中身」よりも「表現」にあったようだ。

恐らく今回日銀が実施する「異例の措置」の経済面に対する効果は、限定的なものだろう。しかし、日銀としては今とれる「全ての政策を打ち出した」ことは間違いない。こうした日銀の姿勢こそが「異例の措置」。問題はこれを日本経済の回復に結び付けられるかだ。

今日の日銀の「異例の措置」を受けて、日経平均株価は137円上昇し、9,500円台を回復した。一方為替市場では、発表直後こそ円は84円近辺まで売られたものの、直ぐに買い戻され83円20銭台と、依然として政府日銀に「孤独介入」に踏切る勇気があるか、踏み絵を迫る水準。

野田財務大臣は今回の日銀の「異例の措置」に対して「思い切った措置をとられたことを大いに歓迎する」と発言。日銀が「異例の措置」に踏み切ったことで、円高・デフレ脱却のボールは菅改造内閣の手に戻って来たという認識は持ち合わせていない様子。
「経済音痴内閣」には、日銀の「異例の措置」に合せて「断固たる措置を取る」勇気を見せるべきタイミングだという発想湧いて来ないのだろうか。奇しくも今日ASEM最終日に、廊下の椅子という「異例のシチュエーション」で日中首脳会談が実現した。こうしたタイミングを活かさない手はない。

金融市場は、米国は次回11月のFOMCで、更なる金融緩和に踏み切る可能性が高いと考えている。もし、今の為替水準でFRBが更なる金融緩和策に打って出たら、「全ての政策を打ち出してしまった日銀」に円高を止める術はない。従って、次回FOMCでFRBが金融緩和に踏み切って円高が進行した場合でも、82円という「防衛ライン」を死守出来るように、それまでに一定水準以上の円安に戻しておかなければならない。その為には、今、日銀の「異例の措置」に合せる形で「断固たる措置」をとらなければならない。財務省には、「市場を注視」している時間はない、ということに早く気付いて貰いたいものだ。

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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