トランプ大統領の標的となった日銀緩和 ~ 止めるは恥だが役に立つ

「中国や日本が市場で何年も通貨安誘導を繰り広げ、米国はばかをみている」(1日付日経電子版 「通貨安誘導と日本批判 トランプ氏、日銀緩和に言及か」)

先週DMM Lounge「近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場」に、トランプ大統領の通貨政策は、「国境税」と「ドル高牽制発言」をちらつかせるポリシーミックスになるだろうという見通しを書いたが、日米首脳会議を10日後に控え、それが現実のものになってきた。

「トランプ氏は中国の人民元政策も『通貨安誘導』と批判したが、中国は為替介入が常態化しており、市場経済を重んじてきた日本とは事情が異なる」(同日経電子版)

日経はこのように指摘しているが、これは完全な誤り。

確かに中国は為替介入を実施しているが、行っているのは「元買い、ドル売り」介入。つまり、中国は自国通貨を高く、ドルを安くする介入を行っており、円安を望む日本とは「事情が違う」。

トランプ大統領の認識は昔のままと批判するメディアは多いが、こうしたメディアの事実誤認に基づく記事に対しては何の批判も起らないのが恐ろしいところ。こうしたところがトランプ大統領から「マスコミはでたらめだ」という批判を受ける原因でもある。

「トランプ氏の『円安誘導』が日銀の金融緩和を指すのであれば、日本のデフレ脱却シナリオにまで影響しかねない」(同日経電子版)

日経はトランプ大統領の批判が「異次元の金融緩和」の継続にも悪影響を及ぼすことを警戒しているようだ。

しかし、心配ご無用。「異次元の金融緩和」は3年9カ月間、何の効果も発揮してこなかったのだから。

もし、トランプ大統領からの圧力で、効果も意味もない「異次元の金融緩和」を止められるのであれば、日本にとってはありがたいことという見方も成り立つ。3年9カ月続けても「2%の物価安定目標」という目標を達成出来る目途すら立たない政策を、あと2年続ける必要性などどこにもない。あるのはリスクだけだ。

「米国も08年の金融危機後の量的緩和で、ドル安が続いた経緯がある」という指摘は事実だが、足元日銀が提供しているマネタリーベースは、FRBのマネタリーベース(円換算後)を既に上回ってきている。

FRBが出口に向かい、ECBもテーパリングに向かう中、日本が破滅緩和を続ければ、マネタリーベースの差はさらに広がることになる。これはトランプ大統領に口撃材料を提供するようなもの。

止めるは恥だが役に立つ。

安倍総理や日銀にとって「異次元の金融緩和」を止めることは、政策的間違いを認めることであるので「恥」かもしれないが、将来の日本の金融にとっては「役に立つ」ことだ。

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