縮小均衡経済下での「男女賃金格差縮小」

「女性の賃金が増加を続け、男性との格差が過去最小を更新した。厚生労働省が22日発表した2016年の調査によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は月額24万4600円と3年連続で最高となった。男性の賃金の73%となり、男女格差はこの20年で10ポイント縮まった」(23日付日本経済新聞 「男女の賃金格差 解消遠く」 )

男女の賃金格差が縮まったことは悪いことではない。しかし、どのような形で格差が縮まったが重要だ。

「16年の女性の賃金は前年から1.1%増える一方、男性は横ばいだった。女性の賃金は06年と比べて2万円以上増えたのに対し、男性は2千円程度減少している」(同)

ポイントは、男女の賃金格差は女性の賃金が上がり、僅かではあるが男性の賃金が下がるという形で縮小しているというところ。

相対的に高かった男性の賃金が下がり、相対的に低かった女性の賃金が上がる形での格差縮小は「裁定」現象と言える。グローバル化によって日本人の賃金が下がり上海の賃金が上昇したのと同じこと。

2016年平均の有効求人倍率が1.36倍と7年連続で上昇し、1991年(1.40倍)以来25年ぶりの高水準を記録したことが大きく宣伝される中で男性の賃金が減少したことが「裁定」現象であることを裏付けている。

決して女性活躍が進んだから賃金格差が縮小したわけではない。「女性が活躍する社会」というスローガンを掲げ、相対的に賃金の低い女性を労働市場に供給し続ける限り、こうした裁定現象は続くことになる。

気にしなければならないことは、男女の賃金格差の解消がなかなか進まないことではなく、このような「裁定」現象による賃金格差の縮小は、拡大均衡経済よりも縮小均衡経済を招く可能性が高いということだ。日本が目指すべきは男女の賃金がともに伸びる形で賃金格差縮小する拡大均衡であるはずだ。

表面的な統計に惑わされてはいけない。
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