まとめサイト質向上~「情報」はタダではない

「ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーション(まとめ)サイトの不祥事を巡り、第三者委員会が今月、記事の質より量産を優先した運営の問題点を指摘する報告書を公表した」(27日付日本経済新聞 「まとめサイト 質向上探る」)

キュレーションサイトをはじめ多くのネットビジネスが抱える限界と問題点の本質は広告ビジネスであるという点にある。

「広告」ビジネスにおいて重要になってくるのはPV数である。「記事の質より量産を優先した運営」に偏って行ったのもこのPV数を確保しようとしたためだといえる。

小生のところにもキュレーションサイトから記事の提供依頼が来たこともあるが、原則無料で公開しているコラムの転載以外はお断りしている(おかげで最近はこうした申し出は来なくなっている)。

それは、執筆料がほとんど出ないからである。執筆料がほとんど出ないサイトに、きちんとした記事を提供する執筆者はほとんどいないはずである。

無料で多くの記事を集めるのは質の高い記事を集めることが目的でなく、PVを集めるのが目的だからである。したがって、PVを集められる記事がいい記事で、内容が良くてもPVを集められない記事は悪い記事となる。要するに記事の質は求められていない。

1970年にベストセラーとなったイザヤ・ペンダサンの「日本人とユダヤ人」のなかでは、「日本人は安全と水をタダだと思っている」という記述がある。それから50年近く経った今日、安全も水もお金を払って購入するのが当たり前の社会になった。

その中で今でも日本人がタダだと思っているのが「情報」である。タダで得られる情報は、もともと価値が乏しいか、裏側に請求書が付いているのかどちらかのはずで、質の高い情報を得たいのであれば「情報」にお金を出して購入する必要がある。

「情報はタダではない」

こうした認識が当たり前になれば、今回のようなキュレーションサイトの問題は自然と収まっていくはずだ。

ネットで溢れている情報は、怪しげなものも含めて「情報」である。そうした情報の真贋を確かめるには、自分自身で真贋を見極めることが出来る審美眼を身に着けるか、コストを払って情報を購入するかどちらかである。どちらにしてもコストを掛けることになる。

著作権侵害の管理などはサイト運営者が法令順守をすることは当然のことだが、読者側が誰かが真贋を見極めてくれた質の高い情報だけをタダで手に入れようと思う限り、こうした問題がなくなることはないはずである。心しておかなければならないことは、まとめサイトの質向上だけでなく、読者側の質向上も求められているということだ。

◆新刊発売のお知らせ

秀和システムから「アラフォー独身崖っぷちOL 投資について勉強する」が発売されました。

マイナス金利政策など日銀の金融政策や年金に関する話の他、「資産形成」と「資産運用」の違いや、「若いうちはリスクが取れる」「ドルコスト平均法が最強」「初心者は分散投資」といった、「投資の常識」 だと思われていることにも切り込んでいます。
金融リテラシー向上を目指している方、資産形成を考えられている方は是非。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

入会キャンペーン 実施中!

メルマガのお知らせ

著書

アラフォー独身崖っぷちOL投資について勉強する

Anotherstage LLC

金融に関する知見を通して皆様の新しいステージ作りを応援

FC2ブログランキング

クリックをお願いします。

FC2カウンター

近藤駿介 facebook

Recommend

お子様から大人まで
町田市成瀬駅徒歩6分のピアノ教室

全記事表示リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR