安倍総理 「大差の判定負け」 ~ 勝者なき閉会中審査

安倍総理は何を慌てていたのだろうか。

「1月20日」の矛盾点を突かれて平常心を失ってしまい、これまで鼻であしらってきたお得意様の蓮舫民主党代表との論戦で完全に一本取られる格好になってしまった。

別に「加計ありき」自体が悪いわけではない。加計学園が所定の基準を満たし、公平、公正なプロセスで選ばれたのであれば…。

しかし、総理の慌てぶりや、総理のお気持ちを忖度しているはずのキーパーソンたちが集団記憶喪失になる姿は、見ている有権者たちに何かしら疚しいことがあることを印象付けるに十分なものだった。

一般常識で言えば、もし安倍総理の意向が入り込むことなく一つの案件として「加計ありき」の話が進んでいたとしたら、「一点の曇りもない」状況にするために一般の案件以上に議事録や備忘録をきちんと準備するものだ。少なくとも総理のご意向を忖度する立場にいる人間ならばそのようにするのが当然の務めだともいえる。それをすることで、その過程で「記憶」も「記録」も残ることになるからだ。

換言すれば「記憶」も「記録」もないという答弁は、加計学園に対して特別な配慮がなされたことを強く示唆するものでしかない。

安倍総理は支持率低下を気にしてか、閉会中審査ではこれまでの傲慢かつ攻撃的な答弁を封印し、穏やかな口調で答弁するよう心掛けていることが十分伝わってきた。しかし、「はぐらかし」「民進党に対するカウンター攻撃」という得意技を封印し、慣れない丁寧な答弁に努めようとしたせいでボロが出す格好になった。普段からやっていないことを本番で成功させることは出来ないことの典型。

閉会中審査で真実が明らかになり、有権者に納得のいく説明がなされることを期待する向きもあったが、それは所詮夢物語。

水掛け論に終わることが十分に予想されていた今回の閉会中審査の目的は、真実を明らかにする、納得のいく説明をすることではなく相手の印象を悪くすることであり、勝敗のポイントは、安倍総理が正直に誠意をもって丁寧に説明してる「印象」を有権者に与えられれば安倍総理の勝ち、安倍総理の説明が矛盾に満ちたもので誠実さに欠け、何かを隠している「印象」を有権者に与えられれば野党の勝ちだったといえる。

こうした状況下、支持率が危険水域と言われる水準まで下がって来ていた安倍総理にとって、支持率回復のためにはこの閉会中審査で「大差で勝利」することが必要条件であった

こうした観点から閉会中審査の判定を下せば、ボロを出してしまった安倍総理の「大差の判定負け」という「印象」。

安倍総理が閉会中審査で「大差の判定負け」を喫したということは、閉会中審査で支持率の回復を計るという総理の目論みがとん挫したということである。

現在の日本政治の弱点は、安倍総理が「大差の判定負け」を喫したことが、必ずしも野党が「大差の判定勝ち」をしたことにならないことだ。今回の閉会中審査の結果は、安倍総理に対する信頼感が野党並みにまで落とされたということだ。

「そして他の政権よりよさそうな政権がいなくなった」 というのが閉会中審査を通した「印象」であった。


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