内閣改造 ~「お友達内閣」を作る求心力を失った安倍総理による「減点回避 厄払い内閣」

「安倍晋三首相が3日に実施する内閣改造と自民党役員人事の顔ぶれが固まった。麻生太郎副総理・財務相や菅義偉官房長官ら政権の骨格を維持しつつ、人心の一新で反転攻勢を狙ったが、ふたを開けてみると閣僚経験者や各分野に詳しい人材を起用する手堅さを重視した布陣となった。経験不足を露呈し、野党に追及材料を与えない『守り』を固めた一方、目玉づくりには苦慮したようだ」(3日付日本経済新聞「新内閣、目玉づくり苦慮」)

大臣としての資質を疑われた人を外し「人心一新」を目指して行われた内閣改造の顔ぶれは、予想通り地味で華のない陣容となった。今回の内閣改造に関して政治評論家の中には「仕事師内閣」「実務型内閣」と好意的な表現をされる方もいるようだが、素人目には「原点回帰」ならぬ「減点回避の厄払い内閣」。

政権の足を引張り大臣としての資質を欠く人物を「お払い箱」にし、一家言持つ野田聖子氏を総務大臣、河野太郎氏を外務大臣として閣内に取り込むことで「脱お友達内閣」という印象を植え付け、「女難の相」を取り除くために女性閣僚を一人減らし2人としたという完全な「対処療法内閣」となった。

その他を「大臣待機組」と言われる面々から派閥のバランスに配慮して入閣させたため、「目玉」も「華」もないだけでなく、「何をやるための内閣改造」だったのかが伝わり難い内閣が出来上がってしまった格好。

逆説的に言えば、今回の内閣改造が、安倍総理自身以外の政権の足を引張った資質に欠ける大臣を、総理の任命責任を問われない形で閣外に放出することを目的に行われたことが明らかになったということでもある。

「人心一新」したことで内閣支持率の回復を期待する声もあるが、支持率急落の張本人であり内閣の顔である安倍総理自身が変わらない以上、それは希望的観測としか言いようがない。

「総理の人柄」に対する信頼が失われてしまった中での内閣改造の限界は、総理の顔が変わらないところ。また、内閣支持率急落の陰の主役となった昭恵夫人の存在を消すことが出来ないところ。

7月25日付のMONEY VOICEで公開したコラム「内閣改造はなぜ愚策なのか? 安倍総理が「こんな人たち」に負ける理由」でも指摘したことだが、「安倍総理は閣僚の『布陣』を変えることはできても、『夫人』を変えることはできない」ところが今回の内閣改造の限界である。

安倍総理の立場からは内閣の布陣が大きく変わったように見えているかもしれないが、国民の立場から言えば最も印象の強い総理大臣がそのままのなかで地味な顔ぶれが増えただけでは内閣に対する印象は変わるものではない。

今回の「厄払い内閣」が示していることは、自民党内でも「安倍一強」体制が崩れ、もはや安倍総理には「お友達内閣」を作れるような求心力はなく、派閥の力を借りなくては政権を維持できないという現実である。

支持率回復を図るために安倍総理は「政治生命をかけた冒険」に打って出る以外になくなったようだ。「政治生命をかけた冒険」の中身に関する私見は、本日3日付で MONEY VOICE で公開された「『政治生命をかけた冒険」 安倍総理が消費税減税を決断するこれだけの理由」をご覧ください。私見がタイトルになってしまっていますが(笑)。

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