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中国GDP水増し?~ 肝に銘じておくべき「二大鉄則」

「中国の地方政府が域内総生産(GDP)を水増ししているとの疑念が深まってきた。東北地方の遼寧省が1月に経済統計の水増しを正式に認めると、同省の2017年1~6月のGDPは物価の変動を考慮しない名目で前年同期比20%減った」(23日付日本経済新聞 「GDP水増し中国で横行?」

「なにを今更」といった印象。中国のGDPを始めとした経済統計でほとんど信じられるものはないというのは投資の世界ではずっと前から当たり前のこと。

この記事の持つニュース性は「GDPを水増ししているとの疑念が深まってきた」ことではなく、「遼寧省が1月に水増しを認めたことで、同省の名目GDPが前年同期比20%減った」という「水増しの規模」が具体的数字で示されたところにある。

人口が日本の10倍、経済規模が日本の2倍である国のGDPが、期が終わって僅か17日で正確な数字を出せるはずがないのは常識で考えればわかること。

しかも、日米では「速報値」「2次速報値/改定値」「確報値」という順番で修正が加えられていくが、中国は僅か17日後に改訂されることのないGDPが発表される。

例えば、2017年4-6月期のGDPを中国が発表したのは7月17日。それに対して米国が「速報値」を発表したのは7月28日、「改定値」を発表したのが8月30日、そして「確報値」の発表予定は9月28日である。

また、日本は8月14日に「1次速報値」を公表し、9月8日に「2次速報値」を公表している。そして「確報値」の公表は来年となる。
GDP統計自体が所詮「推計値」であるので、何時公表するかは「速報性」と「正確性」のどちらに重点を置くかという国の方針の問題でもある。

しかし、日米両国がGDPの推計に用いる経済指標が揃っていく、修正されていくのにしたがってGDPを改定していくのに、中国だけが一発で「確報値」を出せるわけはない。要するに中国のGDPは、各種統計データから推計しているのではなく、GDPそのものが独立して出されている可能性が高いということである。

13億人の人口を抱える中国経済の規模は大きい(13億人という人口自体信用できない部分はある)が、中国経済を額面通り受け取ってはいけない。

中国はドイツに次ぐ世界第二位の経常黒字国である。これが本当なのであれば、何故中国は資本流出を規制し、元安を抑えるために元買い介入をしているのだろうか。

高度成長と共に世界最大の経常黒字国になっていた日本の歴史は、「円高」との闘いの歴史でもあった。中国経済を日本の高度成長時代と重ねて論じる有識者は多いが、そのような単純な比較にはほとんど価値はない。

政策当局の公式見解を除けば、日本経済は公表される経済統計と市場の動きの間にはある程度の整合性が保たれている。一方、中国では発表される経済統計と、実際の政策の間に整合性が保たれていない。経済統計と政府の行動の間の乖離が、中国の経済統計が信用できないことを如実に表している。

中国経済は世界経済にとって無視しえない大きな存在になっている。しかし、それを経済統計で測ってはいけない。中国で発表される経済統計に一喜一憂して投資をするというのは、愚の骨頂だといえる。せいぜい投機の材料に使われる程度のものでしかない。

「政策当局の公式コメント」が信用できない日本と「経済統計」が信用できない中国。この二つが日本人が世界経済や金融市場動向を考えるうえで忘れてはならない「二大鉄則」だといえる。
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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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