VIX指数清算値操作疑惑 ~ VIX指数先物は金融版「バベルの塔」

「米証券取引委員会(SEC)など米金融当局が、米株の変動性指数(VIX)先物の清算値算出で価格操作があった可能性を調査していることが明らかになった」(14日付日経電子版 「VIX先物の清算値に価格操作の疑い 当局が調査と米報道」

やはりと思うのと同時に、「恐怖指数」と呼ばれる理由がようやく理解できた。

そもそも「恐怖指数」という呼び方は必ずしも正しくない。専門的な説明は省略するが、VIXを急上昇させる原動力は「予想変動率」ではなく「足元の恐怖度」でしかないからだ。

VIXなどの市場動向を読み解く上での貴重なインディケータではあるが、投資対象として必要なものではない。そして貴重なインディケーターであっても、金融商品化された瞬間に市場のリスク要因になってしまうのが恐ろしいところ。今回の疑惑は、こうした指数を安易に金融商品化してはいけないということを伝えるための警鐘だともいえる。

金融工学の発展で、何でも金融商品化出来てしまうようになっているところが現在の金融市場が内包するリスクでもある。金融工学の発展がもたらしたのは必ずしも投資手法の高度化だけではない。それ以上に金融工学は胴元が損失を被る可能性が低く、金融リテラシーが高くない投資家受けする投資商品を生み出すことを可能にしているというのが現実である。「自己責任原則」という追い風を受けて。

金融工学など科学は進歩しても、人間の心は未だに2000年以上前に誕生した宗教に頼っていることからも明らかなように科学のように進歩はしない。人間の心が科学技術のように進歩、蓄積できるものであるのなら、この世にはキリストや釈迦を超えるような立派な人間で溢れているはずだ。

進歩しない人間が、進歩する技術を正しく理性的にコントロールしていくことは事実上不可能だ。金融業界の人間には、神の力を借りてでも、金融商品化していいものといけないものを区別していく判断力と理性と謙虚さは持ってもらいたいものだ。

「VIX指数先物」であるとか、「VIXベアETN」といったものは、金融版「バベルの塔」だともいえる。
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近藤駿介

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