米国株安を招いた「誤解」と、これからの「誤解」

(2月25日発行有料メルマガ原稿より)
米国の10年国債利回りが2.8~2.9%台で高止まりするなか、米国株式市場は落ち着きを取り戻してきた。NYダウは25,000ドル台を回復し、今月5日には37.32と急上昇を見せ注目されたVIX指数も16.49と、「安全水域」といわれる「20」を下回る水準まで低下してきた(VIX指数の「20以下が安全水域」というのは全く根拠のない俗説に過ぎないが)。

米国株式市場が落ち着きを取り戻してきたことは、先月末から今月初めに突然起きた株価の急落が、長期金利の上昇に表れたファンダメンタルズの変化よりも市場参加者の「誤解」によって引き起こされたことを示唆するものでもある。

市場参加者が抱いた「誤解」の一つは、2018年の株式市場がロケットスタートを切ったことで、ファンドマネージャー連中が1月以降も株を買い続けると考える投資家が増えたことだ。

日本では外人投資家は運用が上手くて何時も儲けているかのように買い被られているが、基本的に「順張りスト」である。2017年に米国株が25%上昇したことを考えると、2018年に米国株の資産構成比率が増やされたことはほぼ間違いない。米国株への資産配分が増やされた中、BM(S&P500やMSCI他)を上回る収益を上げることを求められる米国株担当のファンドマネージャー達の行動に、20017年の株式市場が安定的に25%も上昇したことが強い影響を及ぼしたことは想像に難くない。

トランプ大統領誕生に対する不安と不満に覆われていた昨年は株式市場に強気になり難い状況にあり、多くのファンドマネージャーが慎重なスタートを切ったはずである。それに対して低支持率や政治リスク、地政学リスクといったトランプ大統領が抱えているテンコ盛りのリスクが株式市場のネガティブに要因にならないことを見せ付けられた今年は、BMを上回る収益を確保することを求められるファンドマネージャー達には慎重なスタートを切る余裕などなかったはずである。

強いBMに勝たなければならないファンドマネージャー達は新年早々ロケットスタートを切る以外に選択肢がなかったといえる。その結果NYダウは年明けから18営業日中11回も史上最高値を更新するという快進撃を見せ、1月26日に2017年末比プラス7.7%の26,616ドルまで上昇することになった。年間25%の上昇を見せた昨年の第一四半期の高値が3月1日に記録した年末比プラス6.8%で、昨年末比プラス7.7%を超えてきたのが6月13日であったことと比較しても、今年はフルスロットでスタートダッシュをかけたことが見て取れる。

こうしたブル相場のなか忘れられがちなことは、・・・


(続きはご購読ください。初月無料です)
元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚 
[月額3,996円(税込) 毎週 月曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
時代と共に変化する金融・経済。そのスピードは年々増して来ており、過去の常識では太刀打ちできなくなって来ています。こうした時代を生き抜くためには、
金融・経済がかつての理論通りに動くと決め付けるのではなく、固定概念にとらわれない思考の柔軟性が重要です。当メルマガは、20年以上資産運用、投融資業務を通して培った知識と経験に基づく「現場感覚」をお伝えすることで、新聞などのメディアからは得られない金融・経済の仕組や知識、変化に気付く感受性、論理的思考能力の重要性を認識して頂き、不確実性の時代を生き抜く一助になりたいと考えています。

<初月無料購読ですぐ読める! 2月配信済みバックナンバー>

※いま初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
・変化する株式市場とFRB、変化を求めない日銀(2/12)
・「もはや低インフレとは言えない米国」を織り込み始めた市場と、それに苦しむ日本(2/5)

< 月単位で購入できるバックナンバー>
※2月分すべて無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。

1月配信分
・金融市場を知り尽くしたトランプ政権と、信頼を失った日銀総裁(1/31)
・「トランプ減税に」に反応し始めた経済 ~ ハト派寄りになったFRBと取り残される日本(1/22)
・ロケットスタートを切った2018年 ~ 膾吹きに懲りて羹を飲む(1/15)
・2017年の延長線上で始まった2018年 ~ リスクは国内にあり(1/9)

12月配信分
・ビットコイン急騰を演出した「懐疑の中で育ったトランプ相場」(12/25)
・割高になり過ぎた都心不動産 ~ メザニンで不動産市況は救えない(12/23)
・税制改革に対する過度の期待とFRBが抱えるジレンマ(12/18)
・リスクに備えることを忘れたリスク(12/11)
・2018年は2017年の延長線上にある?(12/4)

11月配信分
・狭まる「長短金利差」と広がる「日米政策格差」(11/27)
・変化した海外投資家動向と、変化しないイールドカーブフラットニング化(11/20)
・トランプラリー1年 ~「期待」から「現実」へ(11/13)
・転換点を迎えた金融政策 ~「出口論」を強いられる異次元の金融緩和(11/9)
・パウエル新FRB議長決定 ~ 消えた不透明感と湧き出た不透明感(11/6)

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

入会キャンペーン 実施中!

著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

近藤駿介 Official Site

各種お知らせ等はこちらから

FC2ブログランキング

クリックをお願いします。

FC2カウンター

近藤駿介 facebook

Recommend

お子様から大人まで
町田市成瀬駅徒歩6分のピアノ教室

全記事表示リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR