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ドル調達コスト上昇 ~ 「理屈」と「恐怖」が戦わば…

「世界で米ドルを調達しにくい状況が広がっている。米国の利上げと新興国不安でドルの需要が高まり、日本では銀行が円でドルを調達する金利が上昇。9月には年率換算で3%台前半とリーマン・ショック以来、10年ぶりの高さとなった。アジアではドル建て債務の借り換えが困難になるリスクが高まっており、世界経済に影響が広がる可能性が出ている」(8日付日経電子版 「ドル不足で調達金利が上昇 邦銀、10年ぶり高水準に」)

新興国中心としたカントリーリスクの上昇によって「金利差」を求める日本の投資家がドル調達競争に後れを取ることは、これまでセミナーや有料メルマガ等で繰り返し指摘してきたこと。

「金利差」を求めるドル調達には「コスト」の上限がある。なぜなら収益の源泉であるドル金利は一定だからだ。3%弱の金利差を得るために3%のコストを払う投資家はいない。

それに対してカントリーリスクを回避しようとするドル買いのコストには上限はない。なぜなら「カントリーリスクによって被る損失」は計り知れないからだ。50%損するかもしれないリスクに直面していると思っている投資家にとって、10%程度のコストは大したことがない。

金利差という理屈に基づいた利益を求める投資家の欲望は、損失を被るかもしれない投資家の恐怖感に適わない。それは後者の方が時間的余裕がないからだ。恐怖に基づいたドル買いを前に、理屈に基づいたドル買いは無力である。

日本の専門家や市場関係者の大好物である「金利差拡大からドル高・円安」という見通しが通用するのは、金融環境が落ち着いていて理屈が罷り通る時だけである。

マーフィーの法則~ホーングレンの考察
経済専門家にとっては、現実世界は特殊ケースである

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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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