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ミセス・ワタナベ狩り?~ ダイバーシティを認められない投資家に明日はない

「やや古いが、11年3月の東日本大震災発生後も、市場にリスク回避ムードが広がるなか、早朝に円の対ドル相場が急騰する出来事があった。いずれも、FXのロスカットが円上昇に拍車をかけたとみられた」(14日付日経電子版「狙われるミセス・ワタナベ 円急騰劇の裏側」

金融市場で起きていることやデリバティブ取引を理解している人であれば、東日本大震災後に75円台まで円を急騰させたのは「ミセス・ワタナベ」でもないし、「ミセス・ワタナベ狩り」を狙ったヘッジファンドでもないことは分かっているはず。

震災後の円急騰のエネルギーが市場に蓄積されていったのは、第一次安倍内閣の時代だったことはほとんど語られていない。安倍政権時代に蓄積された円高リスクを顕在化させたのは民主党政権。原因を作った政権が悪いのか、リスクを顕在化させた政権が悪いのか…。

為替市場で「ミセス・ワタナベ」の存在は無視しえないものになっていることは確かではあるが、ヘッジファンドが「ミセス・ワタナベ狩り」を目指してコンピューターを活用した機械的な手法を使っているかのような見方には疑問を感じる。

例え「ミセス・ワタナベ」のロスカットを誘発したとしても、商いの少ないシドニー市場で104円とか105円台で買い戻せる量はたかが知れている。得られるリターンの額、規模からすると「ミセス・ワタナベ狩り」は資産規模がある程度大きなファンドにとって余り効率的な行動とは思えない。リスクリターンから考えてその可能性を認識していても行動するかは定かではない。

日本がいつまでも「金融リテラシーが低い」とされるのは、都合の悪い市場の動きは全て悪意を持ったヘッジファンドなどの仕掛けによるもので、自分達は被害者だという無意味な被害者意識を持ち続けていること、その裏返しとしてヘッジファンドの行動をカンニングしようという安易な考えを持っているからだ。

日本人はヘッジファンドに畏敬の念を抱いているが、ヘッジファンドがリーマン・ショック後の2009年~2018年までの10年間でS&P500に勝てたのは2018年の1回のみで、1勝1分け8敗というさんざんな結果となっている。しかも2018年の10年ぶりの1勝は、NY株式市場がクリスマスショックで大きく下落したことによるもので、9月末まではS&P500に約10%負けていて、10連敗目前だった。

10連敗目前だったヘッジファンド

市場の都合の悪い動きをヘッジファンドのせいにしようとする限り、日本は「投資後進国」のレッテルを貼られ続けるだろう。日本人が何と非難しようと、日本の投資家とは異なった価値観、目的を持ったヘッジファンドなどの投資家は金融市場に存在するのだから。

ダイバーシティの重要性が叫ばれる時代に、金融市場のダイバーシティを認めようとしない投資家に明日はないのだ。

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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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