新しい「主役」を探す金融市場

市場の予想を下回る雇用統計の発表を受けての金融市場は、一瞬「ドル安+株安」という反応を見せたものの、値幅、時間共に限定的なものに止まった。特徴的だったのは週末の米国債券市場の反応。米国2年債利回りは0.47%と前日比7bp低下したのに対して、10年債利回りは逆に2bp上昇して3.01%と再び3%台となった。これにより10年債と2年債の利回り格差は4日連続で拡大、2.54ポイントと、6月以来の最大となった。

市場予想を大幅に下回る非農業部門雇用者数やバーナンキ議長QE2規模拡大示唆を受けても、長期金利は低下しなかった。このことは、金融市場で「米国景気2番底懸念」~「追加的金融緩和」~「ドル安」という演目が、既に飽きられてしまったことを示唆したもの。金融市場の関心は、「米国景気2番底懸念」から既に「景気回復(期待)」に移って来ており、同じ「株高」でも、足下の「株高」は、1ヶ月前の「量的緩和」による「株高」ではなく、「景気回復(期待)」を背景としたものになりつつある。

週明けの東京市場でも、日経平均株価こそ小幅に下落したものの、TOPIXは小幅ながら4日連続上昇、全体的に堅調な展開となった。ドル円レートも82円台半ばまで円高になったものの、市場で忘れつつある「防衛ライン」に迫る程のエネルギーはなかった。

「米国景気2番底懸念」~「追加的金融緩和」~「ドル安」という演目が飽きられてしまったあと、金融市場はまだ新しいテーマを見つけかねているようだ。「欧州信用不安」も現時点では使い古しのテーマであるし、論理的に予測不能な北朝鮮を中心とした「地政学的リスク」は短期的なテーマとはなり得ても、主役にはなり難い。最近ニュースの主役を張っている「Wikileaks(ウィキリークス)」による米国金融機関の極秘情報漏洩なども懸念材料として考えられなくもないが、こうした「事件」が金融市場の大きなテーマになることは稀である。

金融市場では、「米国景気2番底懸念」~「追加的金融緩和」~「ドル安」に続く「主役」を探る展開となりそうだ。その過程では、金融市場は雇用統計の様な「遅行指数」ではなく、受注などの「先行及び一致指数」に敏感に反応することになることが想定される。




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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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