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FRBが抱える二つの現実

「景気の勢いが一段と、しかも急激に失われるリスクに備えるために強力な政策対応が必要だ」(10日付Bloomberg 「米当局は7月に0.5ポイント利下げへ、モルガン・スタンレーが予想」

FRBは景気過熱、インフレ上昇に対しては「利上げ」「バランスシート縮小」といった有効な手段を持っているのに対して、景気鈍化には対しては「最大2.5%の利下げ」以外の有効な手段を持っていない。

こうした現実を考えると、現時点でFRBが懸念すべきリスクとしては景気鈍化の方が優先順位が高いはずである。したがってこうした主張は理に適ったものだといえる。

しかし、理に適っていることと、それが現実になるかは別問題。

「米連邦公開市場委員会(FOMC)が7月に0.5ポイントの利下げをする」という予想は理に適ったものだが、実現する可能性はかなり低い予想でもある。

利下げ余地が2.5%しかないことを考えたら、金融政策が後手に回ったら(Behind the curve)FRBは景気鈍化を止められなくなるリスクが高いので、早めに利下げに踏み切って景気鈍化に陥ることを食い止めるというのは有力な選択肢である。

しかし、利下げ余地が2.5%しかないから、利下げを無駄撃ちするわけにはいかないというのも同じくらい有力な選択肢だ。

どちらが正しい選択であるかは将来我々は嫌でも知らされることになるが、現時点では同等の価値があると思われる。

重要なことは、どちらの選択肢をとるかは、人間であるFOMCメンバーが決めるということだ。

6月のFOMCの時点で、FOMCメンバー17人のうち今年中に利下げが行われると考えているのは8人であるのに対して、現状維持という見通しを持っているのも8人、さらに1回の利上げを予想しているメンバーは1人いる。

つまり、少なくとも6月のFOMC時点ではFOMCのメンバーは市場の期待に対して「タカ派寄り」なのだ。6月のFOMCで利下げが見送られたのも、FOMCが市場が予想する以上に「タカ派寄り」だったからだといえる。

「タカ派寄り」のFOMCメンバー達は、先週末に発表された市場予想を大きく上回る結果となった雇用統計をどのようにみたのだろうか。

確からしいことは、「タカ派寄り」のメンバー達が新たに景気拡大を示唆する経済指標が発表されたなかで、利下げ、0.25%ならともかく、0.50%の利下げに賛同するというのは考えにくいということだ。

パウエルFRB議長が利下げに前向きの姿勢を見せているからといって、FOMCが50bpの利下げに踏み切れる状況にはないというのが現実だといえる。

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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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