「天災」+「人災」=「世界同時株安」

福島第一原発でメルトダウンが懸念される事態となったことを反映して、日本の株式市場もメルトダウンとも思える下落に襲われた。15日の東京株式市場は、前日比1015円34銭安の8605円15銭と昨年来安値を更新し約1年11カ月ぶりの安値水準に下落した。10.55%という下落率は、1987年10月20日ブラックマンデー時の14.9%、2008年10月16日リーマンショック時の11.4%に次ぐ歴代第3位に相当する記録。昨日今日の2日間で、約50兆円が消えてなくなった。
株価の暴落を受けて為替市場では円が対ドルでは80円台、対ユーロでも112円台と独歩高。3月期末という季節的要因も加わり、レパトリ(Repatriation:資金の自国内への還流)が急速に進んだ格好。

今回の株価暴落の大きな特徴の一つは、「日本発」というところ。これまでも株式市場はブラックマンデーやリーマンショック、9.11、ITバブル崩壊等々、様々な危機に見舞われて来たが、その殆どが「米国発」であった。東日本巨大地震という国内で発生した「天災」が株価暴落を引き起こしたのは殆ど初めて。1995年の阪神淡路大震災の際でも、日経平均株価の1日での最大下落率は6%にも満たない。今回は「天災」に「人災」が加わったことで下落幅が大きくなると同時に、「世界同時株安」を引き起こしたと言える(ブラックマンデー及びリーマンショックの際には、欧州での利上げが一つのきっかけになったが、偶然とはいえ、今回もECBトリシェ総裁の「利上げ発言」があったことは興味深いこと)。

「天災」を原因とした株価の下落として思い起こされるのが、阪神淡路大震災に見舞われた1995年。1995年を振り返ってみると、今回と同様地震発生を契機に、株価の下落と同時に「円高」が進行、1995年4月には一時的に80円割れを記録することとなった。
こうした「株安」「円高」の流れを変えるきっかけとなったのは、米国景気悪化懸念を背景に米国を含むG 10 が踏み切った5月31 日の協調介入。日経平均株価は協調介入実施後1カ月程経過してから上昇に転じ、1年足らずで阪神淡路大震災前の水準を回復した。

東日本巨大地震の救助活動や原子力被害を最小化で打ち出されている国際支援の輪を、金融市場まで広げることが出来るかが大きな注目点。全く注目を浴びていないが、現在パリでG8外相会合が開かれている。初の「日本発の世界同時株安」に対して世界と懸念を共有することが出来るか、日本の外交力が試されることになりそうだ。




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