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選挙Yearに開催されるFOMCの注目点

2012年は世界的に選挙の年である。米国とロシアという旧来の両政治大国で大統領選挙が行われる他、新興国の代表である中国でも共産党大会があり新指導者(習近平)が誕生する。さらには結束力を問われるEUではフランスの大統領選挙が、経済発展を遂げている東アジアでも韓国で大統領選挙、台湾で総統選挙が行われる。付け加えれば、選挙が行われるかは定かではないが、日本でも首相交代は時間の問題となっている。

選挙Yearが抱えるリスクは、政治面で内向き志向が強まり、経済面での国際協調が疎かになりがちなこと。結果的に中央銀行は難しい舵取りを迫られることになる。

そうした中、今週26~27日に注目のFOMCが開催される。金融市場のコンセンサスは「低金利継続、QE2期限通り終了、バランスシート規模維持(償還分再投資)」というもの。サプライズは少ないかもしれないが、興味深いのは、FRBが「ドル安」に関してどの様な見解を示すのかという点。通常中央銀行が市場動向に直接コメントをすることはないが、FOMC後に行われることになったバーナンキFRB議長の定例会見の席で、「ドル安」に関する質問が出ることは想像に難くない。QE2の副作用として認めるのか、遅々として進まない政府の財政赤字政策にその要因を求めるのか。ガイトナー財務長官が繰り返して来た「強いドルは米国の国益」との発言と、整合性を保つ発言が出るのかどうかは気に掛かるところ。

今月7日に利上げに踏み切ったECBのトリシェ総裁も、8日の欧州連合(EU)の財務相および中央銀行総裁会合での記者会見で「私は常に、米国の当局や幹部、中央銀行による強いドルは国益にかなうとの表明を非常に高く評価している」と述べ、「ドルが強い通貨であることは重要」とする考えを示している。

ユーロも財政危機問題を抱えており、決して「強い通貨」ではないが、「利上げ」というカードを持っていることに加え、中国というスポンサーが付いたことで、財政危機が顕在化する可能性はやや後退して来ている。
中国の宋哲駐欧州連合(EU)大使は21日、ユーロ圏の財政安定化を支援するとともにユーロ圏における中国の利益を守るため、外貨準備をドル以外の通貨に分散するために行って来たポルトガルやギリシャの債券投資について、「次の段階として、購入を拡大する可能性がある」と、ユーロ圏債券のさらなる購入を検討していることを表明している。中国がユーロのスポンサーを表明したことで、対ユーロでは「ドル安」になり易い環境になって来ており、米国が「強いドルは米国の国益」だと考えているのであれば、何かしらの対応が不可欠である。

ミッションが「インフレ」だけのECBと異なり、「雇用」と「インフレ」の2つのミッションを抱えているFRBは、現時点で直ぐに「利上げ」に動くことは難しい状況。「利上げ」の可能性の多寡からすると、日本を除く殆どの主要国に後れを取っている米国が、金利面からドル高を演出することは難しい。そうなると、「強いドル」を演出する為には、FRBがバランスシートの拡大(量的緩和)を止めるしかない。
今回のFRBの政策での注目すべき点は、引上げられる可能性の低い「政策金利」よりも、「ドル安」「バランスシート」に関するFRBの見解である。



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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

著書

202X 金融資産消滅

著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

著書

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