「自己目的化」しちゃダメなんですか

理化学研究所と富士通が共同で開発を進めている次世代スーパーコンピューター「京」が、20日公開された世界のスパコン性能ランキングで日本勢として7年ぶりの1位になった。「京」は2012年度に完成予定だが、一部を稼働した性能試験で1秒間に8,162兆回の計算能力を達成し、前回1位で今回は2位だった中国の「天河1号A」を性能で3倍以上引き離しての圧倒的1位に輝いた。

「京」が世界1位に輝いたことで、最近メディアの露出がめっきり少なくなって来ていたこの方が、久しぶりに注目を浴びることとなった。2009年の事業仕分けでスパコン開発を巡って「2位じゃ駄目なんでしょうか」と白痴的発言をした蓮舫行政刷新担当相。日本の次世代スーパーコンピューター「京」がスパコンの性能で世界首位となったことについて、「極めて明るいニュースで、関係者の努力に心から敬意を表したい」と大人のコメントを出したものの、「ナンバーワンが自己目的化することがないように、学術、産業界の将来の明るい夢に具体的につなげていくことを期待する」と素直には喜べない大人気ない態度を見せた。

「自己目的化」とは「目標値の達成や達成手段そのものが目的になってしまうこと」という意味。新たな技術や産業を生み、防災や医薬品開発においても大きな一助となる可能性を秘めている、スーパーコンピューターの性能向上という目的のどこに「自己目的化」として非難されるべきものがあるのだろうか。その思考回路は全く不明。

「京」の性能ランキング1位達成は、日本の科学技術の高さを示すと同時に、限られた予算内でも技術開発という目的は達成出来るという事業仕訳人の見立ての正しさをも証明する、両者にとって喜ぶべきものであったはずである。しかし、行政刷新担当大臣自らの大人気ない発言によって、全て台無しになってしまった。

進化とは程遠い政界という狭い分野に身を置き、「政策実行」ではなく、「政権維持」が「自己目的化」してしまった民主党政権の大臣には、ノーベル賞受賞者であり理化学研究所の理事長である野依博士の「やはり科学技術はトップを目指さないといけない。科学技術こそが日本の生きる力だ」という純粋な発言を素直に理解することは非常に難しいことだったようだ。



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近藤駿介

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