軟着陸態勢~自ら過ちを正せない市場の危険回避本能

週末28日の株式市場は、日経平均株価がほぼ2か月ぶりとなる3日連続の上昇となった。3日間の日経平均株価の上げ幅は合計303円となり、朝鮮半島の緊迫化による「地政学的リスク」で急落した25日の下げ幅(298円)を取り戻した。金融市場は「消化しやすいリスク」、「地政学的リスク」をすんなりと消化した格好。

金融市場が「地政学的リスク」をあっさりと消化したのは、金融市場が「ユーロ圏の信用不安」を消化し終わる段階にあったからだ。それは「ユーロ圏の信用不安」が軽減したということではなく、「同じ材料で儲からなくなった」ということだ。
金融市場の参加者は、儲からなくなる(動かなくなる)時点で一旦手仕舞うという「危険回避本能」を強く持っている。ここが評論家やエコノミストとは根本的に違うところであり、金融市場が何時までも一方向に破壊的に動き続けることがない理由だ。ドイツのメルケル首相は「市場は過ちを自ら正せない」と発言したが、市場は参加者の「危険回避本能」に基づいて一定の地点に軟着陸するものだ。「ユーロ圏の信用不安」を消化し終わりつつあるタイミングで生じた「地政学リスク」による金融市場の大幅な下落は、「ユーロ圏の信用不安」に遅れて乗り込んだ投資家達の救世主となった。

ここ数日の市場の反発を受け、暫く多くの市場参加者は慎重な行動に転じるだろう。「ユーロ圏の信用不安」は厳然として存在する一方、「地政学的リスク」という最も強力な援軍を受けても市場は下落するどころか急反発を見せたからだ。評論家やエコノミストは「ユーロ圏の信用不安」や「地政学的リスク」を唱え続けるだろうが、現時点で考えられる最大のリスクを以てしても思う様に下落しなかった金融市場に「売り仕掛け」をするのは、市場参加者にとってはかなり危険な賭けになる。「ユーロ圏の信用不安」と「地政学的リスク」というファンダメンタルズには全く変化はないものの、金融市場は自らの危険回避本能に従って、軟着陸態勢に入っている。


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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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