国民軽視の政治 ~「マニフェスト違反」の交換条件に格下げされた「国民の権利の回復」

「1票の格差の是正は、最優先、最重点、最重要だという位置づけであることは間違いない」

「決められない政治からの脱却」という無意味なスローガンを掲げ、「マニフェスト違反」を犯してまで国民生活に大打撃を与える「今やる必要性の乏しい」消費増税に「政治生命」を賭けて突き進む野田総理。しかし、最高裁から「違憲状態にある」と指摘されて「待ったなし」に是正する必要性のある「1票の格差是正」問題に関しては、「不退転の決意」は持ち合わせていないようだ。

この総理のおぞましいところは、「消費税増税に国民の理解を得るために『身を切る』改革が必要」という不純な動機で選挙制度改革をとらえていること。「違憲状態」にある選挙で選ばれた今の衆議院で、国民の審判も受けずに民主党の党内力学で誕生してしまった正当性の疑わしい総理が、「1票の格差是正」という憲法で定められた「国民の権利の回復」を「マニフェスト違反」を犯すための交換条件にでっち上げている現状は、近隣の独裁国家と見まごうばかり。

「1票の格差是正」など選挙制度改革に関する与野党幹事長会談。この会談には既に賞味期限の切れた政党や存在意義の疑わしくなった政党などを含め、実に11党もの政党が参加している。もともと「違憲状態」のもとで選出された議員達に、自らに不利になるような「合憲選挙制度」など考えられるはずもなく、やれ「0増5減」だの、「比例代表定数の75削減」だの、それぞれの思惑が交錯し、とても「今国会会期内に結論を得る」ことが出来るような状況にない。

問題を解決不能にしているのは、「1票の格差是正」という「違憲状態からの脱却」と、「身を切る改革」という、消費増税実行のための「国民むけアリバイ作り」を一緒くたにしているところ。

もし、野田内閣が、「違憲状態からの脱却」と「国民向けアリバイ作り」の同時解決を図りたいのであれば、「0増5減」を実施すると同時に、衆議院議員の歳費総額を80人減の400人分にするべきである。民主党のマニフェストに謳われている「衆議院比例代表定数80削減」は「先送り」になるが、優先順位としては、吹けば飛ぶような「民主党のマニフェスト」よりも、「違憲状態からの脱却」の方が高いのは明らかである。

「現実論では、『0増5減』だけ先行して決めたらいいというのは、自民党だけだ」

消費増税実現のためには、自民党の要求を丸呑みしかねない勢いを見せる野田総理も、選挙制度改革においては自民党案を丸呑みする姿勢は見せていない。しかし、「違憲状態」を脱却するためには自民党と「違憲状態脱却翼賛会」を結成する以外にない。「身を切る改革」という「国民向けアリバイ作り」は、比例代表定数の削減が実行されるまで、衆議院議員歳費総額を400人分に削減することで対応するくらいの政治的覚悟があって然るべきである。

大体、恒久的に国民負担を強いる消費増税の代償が、「僅か2年間」の国会議員1人当たり歳費約540万円(年額約270万円)の削減というのでは、全く釣り合わない、国民を小馬鹿にしたものでしかない。

「マニフェスト違反」を推し進めるための「翼賛会」は国民の理解を得られないが、「違憲状態からの脱却」を目的とした「翼賛会」は理解を得られるはずである。
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