「借金」なんですか?「資産」なんですか?~AKB48を起用して財務省がPRする個人向け国債

「財務省は6日、2011年度の個人向け復興国債の累計販売額が1兆4030億円だったと発表した。目標額は1兆5000億円で、わずかに届かなかった。財務省は12年度の目標額を2兆5000億円に設定しており、広告に横綱白鵬や人気アイドルグループのAKB48などを起用して巻き返しを図る」

先月10日、国債や借入金などの『国の借金』が11年度末で959兆9503億と過去最大を更新したという財務省の発表を、「国民1人当たり約752万円の借金がある計算になる」という脚色を加えて大々的に報じた日本のマスコミは、今度は「財務省は『個人向け復興国債』の販売促進に向け、人気アイドルグループAKB48など著名人を『復興応援団』として起用するPR活動に乗り出す」と報じている。

「国民1人当たり約752万円の借金がある計算になる」と、日本の財政危機を煽る財務省とマスコミが、「広告に横綱白鵬や人気アイドルグループのAKB48などを起用」して個人向け復興国債の販売額を増やすというのは一体どういう神経なのだろうか。

野田総理を代表する消費増税原理主義者が何時も主張するように、「国債が国の借金」であり、「国の財政が何時破綻してもおかしくない」状況にあるのだとしたら、財務省が実施しようとしているAKB48などを「復興応援団」に利用して個人に国債を売り込むというのは、「個人に償還が怪しい負債」を押し付ける「押付詐欺」でしかない。

もし、財務省が「押付詐欺」でないと主張するのだとしたら、それは、「国債は国民の資産である」ということを認めることである。そうだとしたら、「国民1人当たり約752万円の借金がある計算になる」というこれまでの主張が、消費増税原理主義者による単なるプロパガンダだったということ。

消費増税原理主義者の国債の扱いは、かように、時と場合によって何時も都合よく変化する「ブレまくる主張」は、差し詰め世間で批判を浴びている「二股」行為である。

民主、自民両党は6日、消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案の修正協議入りで合意、15日までに修正合意を目指す方向も確認した。こうした動きは、「国債は国の借金」であるという考えに基づいた動き。

「当たり前のことが当たり前のように決まる政治を実現したい」

5日、都内で開かれた経団連の定時総会でこのような挨拶をした野田総理。「国債は国民の資産である」、「国債は国の借金ではなく政府の借金である」、「消費増税は景気にマイナスである」という、「当たり前のこと」を一切無視し、「不景気化の消費増税実施」という「異常な結論」に邁進する野田総理が、「当たり前のことが当たり前のように決まる政治の実現」を目指すなどと訴えるのは、悪い冗談にもならない。

民意を反映するという「当たり前のこと」が行われず、民意を反映しない形で「1年1首相」を生み出続けている日本の政治。民意を反映しない首相の粗製乱造によって誕生した野田政権が、毎年ニューシングルのメンバーを総選挙で選ぶAKB48を「復興応援団」に指名するのは、何とも皮肉な構図。

「当たり前のことが当たり前のように決まる政治の実現」を求めているのは、野田総理ではなく国民である。そして「当たり前のことが当たり前のように決まる政治」が実現した暁には、「不景気化の消費増税実施」は廃案になる運命にある、という「当たり前のこと」を、「民意を反映していない野田政権は、肝に銘じるべきである。
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「財務省は6日、2011年度の個人向け復興国債の累計販売額が1兆4030億円だったと発表した。目標額は1兆5000億円で、わずかに届かなかった。財務省は12年度の目標額を2兆5000億円に設定し

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