「維新の会」支持率低下~最高潮に達する「二大政党に対する不満」と「風まかせ選挙への反省」

「まだまだ下がっていく。実像にだんだん近づいて来ているのではないか」

「日本維新の会」の橋下代表は、支持率が低下しているとの一部報道についてこのように述べた。そして、その原因について、「今までは二大政党に対する不満が維新の会への応援になっていた」と分析して見せた。

こうした原因分析は間違っていないが、必ずしも十分とは言えない。それは、分析が「二大政党に対する不満」が「維新の会」に向かわなくなった原因に及んでいないからである。

「二大政党に対する不満が維新の会に向かわなくなった」きっかけとなったのが、先月実施され、国民の期待を大きく裏切った公開討論会だったことは間違いない。政策論争を抜きにして、橋下市長の人気にあやかることで、既存政党という泥船からの脱出を図ろうとした計算高い国会議員達に対して、厳しい議論を浴びせてその真贋を国民の前に晒す討論会になるという期待を煽るだけ煽っておきながら、実際は「政党要件」を満たすことを優先した「内定式」に終わらせたその落差は、橋下代表の「大風呂敷を広げてから落としどころを見つける」というお得意の政治手法に対する期待感を大きく萎ませる原因となった。

国民の期待が萎んだことは、その後2回開催された「維新の会」の公開討論会に対する既存メディアの取り上げ方が、自民党総裁選挙の完全な脇役扱いに格下げされたところに如実に表れている。橋下代表の政治手法に対して、過度な期待は危険だという印象を多くの有権者に与えてしまったことが、「二大政党に対する不満が維新の会に向かわなくなった」大きな原因であることを橋下代表が自覚していないとしたら、支持率低下は「まだまだ下がっていく」のかもしれない。

橋下代表は、「二大政党に対する不満」というバブルが萎みつつあることは自覚しているようだが、「橋下人気」に関しては、まだまだ強気のようだ。

こうしたことは、ここに来て明らかになって来ている橋下代表と所属国会議員の間の不協和音について、「国会議員団の方針や戦略で有権者が本当について来るのであれば、日本維新の会に所属しなくてもいい」と突き放し、「大きな方針や戦略については、今の国会議員団よりも僕の方がたけている」と言い切ったところにも現れている。

政治家としてどのような「方針や戦略」を持っているのか、何も伝わって来ない「維新の会」所属の国会議員達と比較すれば、橋下代表の「発信力」の方が「たけている」と言えるかもしれない。しかし、「発信力」はともかく、橋下代表が「大きな方針や戦略」を持ち合わせているかについては、意見の分かれるところ。

衆院で過半数の議席を獲得するとの目標について、「選挙をやる以上最低限の条件」と、支持率が低下しても全国に候補者を擁立する考えを表明した橋下代表。候補者が決まらないうちに「衆院で過半数の議席を獲得する」ことを「最低条件」とするのは、今でも「橋下人気」を相当高く見積もっている証拠である。

しかし、「橋下人気」が、そのまま選挙の票、議席数に結びつくかは定かではない。「小泉チルドレン」に「小沢ガールズ」。この数年間、国民は特定の政治家の人気や、社会の風潮に乗った選挙によって、非常に高い「政治的コスト」を支払って来た。これにより、確かに「二大政党に対する不満」は最高潮に達しているが、「風まかせの選挙」に対する反省と後悔も、同様に最高潮に達している。

橋下代表が、こうした国民意識の変化を「橋下人気」で突破出来ると考えているのだとしたら、それは旧態依然とした思考の延長線上で物事を捉えているということ。もしそうだとしたら、政治の在り方を変えるのは至難の業である。

「維新の会」の最大の問題点は、橋下代表が衆院選に立候補しないことである。大阪市民の信を得た橋下市長であったとしても、国民の審判を経ずに国のありようを変える、というのは余りに無理筋である。大阪市民から市長としての審判を受けたことを以て、国政の権利を握ろうというのは、どう考えても論理的に無理である。こうした「ショートカット」が許されるとしたら、議会制民主主義を形骸化してしまう。

ここ数年、国民は、小沢元代表や、仙石元官房長官などによる、政治の二重権力構造に強い拒否反応を示して来た。橋下代表が本当に政治の在り方を変えると考えているのであれば、橋下代表が国会議員になることなく、国会を動かすような二重権力構造はとるべきではない。

「国会議員団で変なパフォーマンスに走らないでと松浪議員にきちんと言っています」

不協和音が流れる国会議員団の動きにこのように釘を刺した橋下代表にも、是非「パフォーマンスに走らず」、来るべく総選挙に立候補してもらい、国会議員になって正々堂々と自らの政策実現を図ってもらいたいものである。
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近藤駿介

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