山中教授、ノーベル平和賞も狙ってください

「責任を取るというよりも、むしろ仕事をしっかりと行い、職務を果たしていきたい」

過去に暴力団関係者と交際があったと一部で報道された田中慶秋法務大臣は、事実関係を認めたうえでこのようにと述べ、閣僚を辞任しない考えを示した。就任後わずか10日程の間に、外国人からの献金に続く不祥事の発覚。こうした政治家を簡単に閣僚にしてしまうところに民主党の人材不足とともに、「身体検査」の甘さを露呈した格好。

それにしても田中法務大臣のコメントは無責任極まりないもの。国会で活発な議論がなされているのであればともかく、改造内閣誕生後臨時国会を先送りし、復興予算を検証する衆院決算行政監視委員会も民主党議員の欠席で流会にすることで、閣僚が「仕事をしっかりと行い、職務を果たす」場を奪い、「停滞する政治」を進めている野田政権の閣僚が、「仕事をしっかりと行い、職務を果たしていきたい」とは笑い話にもならない。

野田内閣が臨時国会を開いても、田中法務大臣に対する追及は必至の情勢であるうえ、解散・総辞職が現実味を帯びてくるため、田中法務大臣には「仕事をしっかりと行い、職務を果たす」場が訪れる可能性は高い。

自らの資金管理団体が、政治資金規正法で禁じられている外国人、在日本大韓民国民団(民団)の役員から平成18年までに計約47万円の献金を受けていたことを認めた野田総理にとっては、外国人からの献金問題を理由に田中法務大臣を更迭することは難しいことだったはずである。しかし、暴力団関係者との交際という、新たな事実が加わっても更迭しないということになると、野田総理自身にもやましい事実があるという印象を与えてしまうもの。

僅か就任から10日程の間に、外国人からの献金問題、暴力団関係者との交際という、不祥事が発覚した法務大臣を更迭せずにかばい続けるのであれば、野田総理はお得意の「決断する政治」という無意味な看板を直ぐに下ろすべきである。本人がいくら「仕事をしっかりと行い、職務を果たしていきたい」といっても、「仕事をしっかりと行い、職務を果たす場」は与えられないのだから。

「決断する政治」を標榜しつつ「逃げ回る政治」を続ける野田首相は、ノーベル賞を受賞した山中教授の表敬訪問を受け、iPS細胞の実用化に向け、国として引き続き研究を支援していく考えを示した。一方、山中教授はその後の講演で、「iPS細胞を難病の治療に早く役立てるため4~5年のうちに実際の患者に応用したい」と、iPS細胞の実用化に強い意思を示したことが報じられている。

iPS細胞に関しては、患者から作られたiPS細胞を使って、発症メカニズムを解明する研究が進んでいる。もし野田総理が、iPS細胞の実用化に向け、国として引き続き研究を支援していく方針なのであれば、野田総理や田中法務大臣などの政治家から細胞からiPS細胞を作り、「政治家の虚言症」という難病の発症プロセスを解明し、その薬や治療法の開発を依頼したら良いのではないかと思わずにはいられない。

山中教授のノーベル賞受賞は素晴らしいことであったが、ノーベル賞の意義に疑問を投げかけるような事態が発生。ノルウェーのノーベル賞委員会は12日、ノーベル平和賞を欧州連合(EU)に授与すると発表した。その受賞理由は60年以上にわたり、「欧州の平和や和解、民主主義、人権の進展に貢献してきた」こと。これによりEUは、賞金800万スウェーデンクローナ(約9400万円)を受け取ることになる。

60年以上にわたり、「欧州の平和や和解、民主主義、人権の進展に貢献した」かもしれないが、ここ数年の欧州危機で、EUが世界経済を危機に陥らせ、世界中の多くの人達に不幸をもたらしたことは逃れようのない事実。実際に、ダイナマイトを発明した同国の化学者でノーベル賞の創設者であるアルフレッド・ノーベルの遺産を運用して賞金や運営費を賄っていたノーベル財団も、過去10年間の運用利益が経費を下回ったため、今年のノーベル賞の賞金をこれまでの1000万スウェーデンクローナ(約1億1100万円)から2割減額し、800万クローナに引き下げている。

以前から平和賞、文学賞、経済学賞等は、ノーベル賞に相応しいのか、という疑問が投げかけられてきた。ノーベル財団が世界の科学の発展に貢献することを目的にしているのであれば、ノーベル賞の賞金を下げることではなく、不必要な賞の数を減らすという選択肢があって然るべきである。

ノーベル賞の賞金を、運用難を理由に2割引き下げることを決定したノーベル財団。そこが、運用難の震源地となったEUに、このタイミングで平和賞を送るというのは、理解しがたいもの。山中教授の研究対象、治療を待つ患者は世界中に存在しているようである。山中教授が、世界中に存在する「信じ難い人々」の治療に成功すれば、それこそ「ノーベル平和賞」間違いなしである。
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