16日解散 ~98日目の詭弁、「民主党にとって、プラスの提案ではありません」?

「この御決断を頂けるならば、私は、今週末の16日に解散をしてもいいと思っております」

8月8日に「近いうちに」と発言してから98日。野田総理の「近いうちに」の定義が100日であることが、14日の党首討論で唐突に明らかにされた。

野田総理は、安部自民党総裁との党首討論で衆議院の「定数削減」「議員歳費の2割削減」への協力を条件に解散に応じる姿勢を見せ、「身を切る改革」が総選挙のテーマであるかのような演出に打って出た。つい数日前の「TPP解散」を目指した野田総理にとってはお得意の「君子豹変」。

「中小政党に配慮した比例の削減であります。民主党にとって、プラスの提案ではありません」

野田総理は、14日に民主党が衆院に提出した、小選挙区定数の「0増5減」と、議員定数を減らすための比例定数の「40削減」がセットになっている選挙制度改革関連法案について、「民主党にとって、プラスの提案ではありません」と発言した。

しかし、これは「98日目の詭弁」かもしれない。野田総理の発言は、「40削減」により比例定数は140となるうえ、このうち35議席は中小政党に優位と言われる「連用制」としていることを念頭に置いたもの。確かに、「選挙区で多くの議席を得る大政党に対して、比例票を圧縮して議席を得難くする。逆に選挙区で議席をとれない中小政党に有利となるように、比例の議席を優先配分する」という「連用性」の採用は2大政党にとって、不利な選挙制度かもしれない。

しかし、民主党は、消費増税関連法採決で大量の離党者を出した影響で、衆院300小選挙区のうち、公認候補が不在の「空白区」は70に上るうえに、政党支持率が12.7%(NHK 11月12日報道)に低迷していることから「歴史的惨敗」も想定されており、「選挙区で多くの議席を得る大政党」に該当するかは疑わしい限りである。

むしろ、野田総理は、民主党が「選挙区で多くの議席をとれない中小政党」になることを前提にこうした提案をしたのではないか。少なくとも次の通常国会で民主党案を通すことが出来れば、来るべき違憲状態で選挙が無効になるリスクの残る総選挙で大敗したとしても、次回の総選挙で「中小政党に有利」となる選挙制度で戦える可能性があることを考えると、必ずしもデメリットばかりではない。

「通知表を持ち帰った時に、とても成績が下がっていたのでオヤジに怒られると思ったが、なぜか頭をなでてくれた。講評の所に『野田君は正直の上にバカがつく』と書かれていたのを喜んでくれた」

今回の党首討論でも、野田総理はお得意のほのぼのとした昔話を持ち出した。この逸話の真贋は定かではないが、半世紀ほど前には、学校の先生に「正直の上にバカがつく」と評されオヤジに褒められた野田総理が、今では、多くの国民に「正直でない上に」…と怒りを買っている。野田家の教育は正しかったと言えるのだろうか。

「トラストミー(Trust me)」が軽くなったと言われる今、多くの国民に「正直でない上に…」と思われている野田総理が披露した、少年時代の逸話や、「民主党にとって、プラスの提案ではありません」という発言は、国民の耳にどのように受け止められたのだろうか。

「近いうちに」から98日目に発せられた「16日解散」。この2日間で「君子豹変」することなく、この約束が100日まで持つことを願うばかり。この件に関してはオヤジに褒められる対応をしてもらいたいものである。
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近藤駿介

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