先進国とは「次元の違う」中国~先進国より早く、僅か18日で「GDP確定値」を発表できる国

「1月25日」「1月30日」「2月14日」

これは、主要各国の2012年10-12月期のGDP速報値の発表予定日である。「1月25日」は英国、「1月30日」は米国、「2月14日」には日本、ドイツ、ユーロでGDP速報値が発表される予定である。

それに先駆けての「1月18日」。中国はこの日、先進主要国よりも早く、2012年10-12月期のGDPを発表した。

「中国国家統計局は18日、2012年10~12月期の国内総生産(GDP)が物価変動の影響を除いた実質で前年同期比7.9%増えたと発表した。12年通年では、成長率は前年比7.8%と、13年ぶりに8%を割り込んだ」

巷では「12年通年では、成長率は前年比7.8%と、13年ぶりに8%を割り込んだ」ことに主眼を置いて、中国の景気が減速して来ていることを報じている。

しかし、「2013年1月18日」に発表された中国の10-12月期のGDPは、前年同期比7.8%と13年ぶりに8%を割り込んだものの、「7-9月期の前年同期比7.4%」を上回り、「投資拡大で企業の生産活動も上向き、足元で景気は持ち直しつつある」ことを滲ませる内容となっている。これは新政権や世界の投資家にとっては好都合、かつ望ましい動き。

それにしても不思議なことは、中国のGDPの特徴は、世界最大の人口を抱える中国が、日米欧を差し置いて、期が終了してから僅か18日でGDPを公表出来てしまうことである。

日本では「2月14日」に内閣府が「第一次速報値」を発表するが、この時点においてもGDPを算出する全てのデータは揃っていない。それ故に「速報値」となっている。世界第2位の経済大国は、日米よりも経済統計を効率的に集め、処理する能力の面でも、先進国を追い越したのだろうか。

「中国国家統計局は18日、2012年7-9月期の国内総生産(GDP)が物価変動の影響を除いた実質で前年同期に比べ7.4%増えたと発表した」

これは「2012年10月18日」に中国国家統計局が発表した中国7-9月期のGDPを伝えた記事である。注目すべきは、「7-9月期が前年同期比7.4%成長」と、「2013年1月18日」に発表された「7-9月期は7.4%成長」と同じで、全く改定がなされていないこと。要するに、中国は、日米欧の先進国よりも大幅に早く「確定値」を算出し、発表していることになる。

中国は日米欧のように国連で定めたSNAという集計方法を採用せず、独自の集計方法を採用している。しかし、その集計方法はブラックボックスの中である。

GDP統計に関しては、日本でも1次速報として公表される数字と、2次速報以降の改定値に間に時として大きな乖離が生じたり、米国に関しても、市場に最も影響を及ぼす速報値を高めに算出しているという批判が欧州の一部から出たりと、先進国の間でもGDP統計の正確性、信憑性には100%の信頼が寄せられている訳ではない。

しかし、失業率ですら農村部の統計が含まれていないなど、統計の整備が進んでいない中国が、僅か18日間で先進国より早く「確定値」を公表出来るということは、ある種の魔法である。

「中国をはじめアジアの成長を取り込む」ことを成長戦略の柱にしている日本。しかし、中国を公表される経済指標に基づいて「世界経済成長の牽引役」であると信じ込むことは危険である。好調に見える経済指標も、投資主導で成長してきた中国が今後は消費主導の成長段階に移行するという「美しい成長ストーリー」も、割り引いて受け止める必要がある。中国は、政治体制だけでなく、経済指標においても、先進国の常識が通じない国なのだから。

【参考】
中国は高成長国家であり続けられるのか~歴史は繰り返さない
中国は高成長国家であり続けられるのか(続)~「アナログ時代」に高度成長を果たした日本、「デジタル時代」で高度成長を目指す中国
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