打たれ強くなっている通貨

日経平均株価が5日続伸でようやく10,000円台の大台を回復した。日経平均株価の大台回復は約1カ月ぶり、5連騰は昨年12月以来。匍匐前進の感は否めないものの、市場の雰囲気は徐々に変わって来ている。

株価の上昇を支えているのは為替市場の安定。昨日各付け会社ムーディーズは「今更ながら」のギリシャ格下げに走ったが、その影響はギリシャ及び周辺諸国国債のドイツ国債に対するスプレッド(利回り格差)拡大という局所的な影響に留まり、金融市場全体には広がらなかった。それどころか為替市場ではユーロは上昇した。理由はともかくも、金融市場は格付け機関の横暴を無視する賢明さと打たれ強さを見せ始めている。

昨日の市場の動きに関しては、ギリシャ国債のジャンク債水準への引き下げに全く反応しなかったユーロ相場と、反応を示した債券相場との動きのかい離に着目し「ユーロの反発はただのショートカバー」と冷めた見方をする向きもある。確かに商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファンドなどの大口投機家の建て玉は、8日の時点でユーロの売り越しが過去最高付近となっている。
しかし、金融市場は常に新規ポジションの積み上げで動くものではない。新規ポジションの積み上げとその解消を繰り返している。さらに、金融市場を大きく変動させるのは、新規ポジションの積み上げ期ではなく、既存ポジションの解消時である。今回のギリシャの財政危機に端を発した金融市場の混乱も、過去数年間積み上げられて来たユーロの買いポジションが解消されたことによって齎されたものであり、ユーロの新規売りポジションが主役だった訳ではない。

「大口投機家の売り越しが過去最高水準にある」という事実から投資家が目を向けるべきことは、「ただのショートカバー」だと冷めた評論ではなく、中長期的な懸念は解消されていないものの、積み上げられた売り越しの解消が進む過程ではユーロはこれまでよりも「打たれ強い通貨」になる、という現実である。


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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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