アマゾン・ドット・コムの本質は「物流会社」 である~ 物流を制する者がネット通販市場を制する

「インターネット小売りの世界最大手、米アマゾン・ドット・コムの2012年12月期の日本での売上高が前の期比18.6%増の78億ドルだったことが分かった。直近の為替レートで約7300億円となり、日本で事業を展開するネット通販企業の売上高としては最大」

アマゾンの日本での売上高が、約7300億円であることが明らかになった。日本経済新聞は、この事実を「成長するネット通販市場の中で際だった存在となっている」、「7300億円の売上高は家電量販大手のエディオン(13年3月期の予想で7200億円)を上回り、小売業全体で10位前後に位置する」、「日本のネット通販企業では楽天が最大手。仮想商店街『楽天市場』や旅行予約『楽天トラベル』などネットサービス分野の12年12月期の売上高は2858億円」 といった感じで報じている。

こうした報道は、アマゾン・ドット・コムを「小売り」「ネット通販会社」という範疇で捉えていることを示したもの。しかし、それはアマゾン・ドット・コムの表面的な姿でしかない。アマゾン・ドット・コムの企業としての本質、コアコンピタンスは「物流」である。物流会社が、それに本や家電、という商品を乗せていると考える方が本質に近い。

こうした見地に立つと、楽天やエディオンと売上規模を比較することに大きな意味はない。

奇しくもアマゾン・ドット・コムの日本での売り上げが約7300億円であることが報じられたのと同日の19日。ヨドバシカメラは、2月20日から同社のネット通販サイト「ヨドバシ・ドットコム」を強化。「配達料金無料でご注文当日お届け」サービスの対象に、書籍、日用品・化粧品を追加するとともに、文具・事務用品のアイテムを拡充することを発表した。

「物流会社」として、取扱商品を本から家電、その他に広げて来たアマゾン・ドット・コム。これと正反対に、家電量販店から「物流会社」にシフトすることで、本や日用品等へと取扱商品を増やすことを決めたヨドバシカメラ。こうした動きは、今後の決戦の舞台が「物流」となることを予感させるもの。

ネット販売の拡大によって、購買行動が仮想空間で容易に行えるようになっても、リアルの世界での「物流」は必ずついて回るもの。「物流を制する者が成長するネット販売市場を制する」。今回のアマゾン・ドット・コムの決算とヨドバシカメラの動きは、こうしたことを強く印象付けるものとなった。
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コメント

No title

今さらって感じはする。

アメリカでも日本でも2007年-2010年頃にはアマゾンの物流拠点は色んな意味で注目されていた。
同様に利益を上げているセブンイレブン、ワタミフードセンターも巨大且つコンピュータ管理された物流拠点を持っていること、そこにはジョージ・オーウェルの近未来小説1984ばりの高度に管理された非人間的コミュニティがあることも数年前から指摘されている。1回の採用が100名、内9割が数ヶ月で辞めること、全体の9割以上がバイト・パートであること、地方、低学歴、中高年の労働者が多いこと。そういった人の苦難の上で僕らの便利と企業の利益が成り立っている。







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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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