「師弟愛」をモチーフに、「人間愛」に欠けた過剰な演出がされた国民栄誉賞受賞セレモニー

「バッター 4番 サード 長嶋茂雄 背番号3」

東京ドームに流れたこのアナウンスに、場内から大歓声が沸き起こった。しかし、それは、「長嶋茂雄」の現役時代を知っている世代にとっては、どこか違和感を覚えるアナウンスでもあった。

違和感を覚えたのは、筆者の体に染みついている後楽園球場で流れていたアナウンスは、「4番 サード 長嶋 背番号3」であり、「長嶋茂雄」ではなかったからだ。アナウンスが「長嶋」ではなく、「長嶋茂雄」であったちょっとの違いが、「過剰な演出」を強く感じさせるものになってしまった。

国民栄誉賞の受賞式典でも、「背番号3」のユニフォームを身に付けた始球式でも、長嶋茂雄の姿は、痛々しいものであった。不自由な右手はポケットに入れられたままで、国民栄誉賞の盾は松井秀喜氏に支えられて受取り、始球式では左手一本でバットを振った。

その他にも、呂律が回らないにも関わらず、脳梗塞発病後初めてファンの前でマイクに立ち、夕方からは松井秀喜氏とともに記者会見まで行った「ミスター」。松井秀喜氏との「師弟愛」をモチーフにした今回の国民栄誉賞。ファンを大切にする長嶋茂雄と松井秀喜両氏にとっては、ファンの期待を裏切らないために見せた精一杯の演技だったのかもしれない。

「みんなが夢に向かって頑張っていくことこそが『4本目の矢』になると信じている」

言葉は悪いが、「師弟愛」というモチーフを掲げた国民栄誉賞を利用して「4本目の矢」をアピールするために、77歳になり、脳梗塞のリハビリを続ける「ミスター」を担ぎ出した安倍総理。そのやり方は、必ずしも「美しい国、日本」を掲げる総理にとって、褒められたものではなかった。

「師弟愛」をモチーフにした今回の長嶋茂雄、松井秀喜両氏の国民栄誉賞は、多くの感動を与えたのかもしれない。しかし、「ミスター」が脳梗塞の後遺症を持ち、呂律が回らないことを知っているのであれば、今回のように大観衆の前に立たせ、スピーチまでさせることはなかったはずである。

安倍総理はもとより、ジャイアンツも日本テレビも、何時まで長嶋茂雄に頼り、利用し続けるのだろうか。「師弟愛」をモチーフにした今回の国民栄誉賞の受賞セレモニーが、「人間愛」に欠ける「演出」になってしまったことは残念である。

「4番 サード長嶋 背番号3」

このアナウンスが未だに耳に残っている世代の人間としては、今回の国民栄誉賞の受賞が、「ミスター」人気を利用する最後のイベントになることを願うばかりである。
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