木曜日は「乱気流の日」~ 最も投資効率の高い市場でなくなった東京株式市場

木曜日は「乱気流の日」ということなのだろうか。先週23日木曜日に1,100円の大幅安を記録した日経平均株価は、30日木曜日も737円下落と、今年2番目の大幅下落となった。30日の大幅下落を受けて、22日の高値15,627円からの下落幅は2,038円、率にして13%の下落となり、この1週間で1か月間の上昇を全て掃出した格好。

しかし、30日の下落を受けても、日本の株式市場の上昇率は依然として主要国では最も高い水準にある。

2013年騰落率

その一方で、日本の株式市場のRisk(Volatility)も、主要国の中で際立って高い水準にある。30日の下落を加味した日経平均株価のVolatility(21営業日ベース)は40.7%と、NYダウの8.3%の5倍近い水準にある。

日米欧ボラ

これまで、日本の株式市場の「上昇率」が世界の主要国のなかで最も高いことは繰り返し報じられて来た。しかし、20年近く「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げて来ている日本では、日本の株式市場のリターンが、リスクに見合ったものなのか、という視点からの報道は全くされてこなかった。

今年に入ってからの日経平均株価のVolatilityは28.6%である。今年に入ってからの上昇率が30.7%なので、日経平均はRiskの1.07倍(=30.7%÷28.6%)のリターンを上げている計算になる。

一方、NYダウの今年に入ってからのVolatilityは9.3%、これに対するリターンは16.8%である(共に29日まで)。NYダウは、Riskの1.8倍のリターンを上げていることになる。とったRiskに対する見返りという点では、NYダウが主要国の中で最も効率のいい市場となっている。

主要国Risk&Return

ちなみに、日経平均が今年の最高値を記録した22日時点では、日経平均のRiskは24.0%で収益は50.3%であり、Riskの2.1倍のリターンを上げていた。これに対してNYダウは、Riskは9.4%、収益は16.8%、Riskの1.8倍のリターンとなっており、日経平均はRiskは高いもののそれに見合うリターンが得られる市場でもあった。

有識者や専門家の間では、日本株の下落については、「一時的」という見方が主流である。しかし、「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げるなら、この1週間の下落によって、「Riskに見合うリターン」という点において、日本は世界の主要国で最も投資効率の高い市場の座を失ったことは頭の片隅に入れておくべきである。 単純なリターンの背比べをし続けるだけでは「貯蓄から投資へ」は、国民に対するギャンブルへの誘いになってしまう。

なお、経験則から言えることは、市場が2度目の下落に対して見せる抵抗力は、1度目の下落に比較して弱いことが多いということである。

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投資商品に関する業界の実情を通して、投資商品への投資の「リスク」を知って頂くことを目的に書き下ろしたものです。ご興味のある方には是非目を通して頂けたらと思います。
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