移ろいやすきもの~金融市場と政権支持率

何とも移ろいやすいものだ。米株式相場は4月以来初の3日続伸。新規失業保険申請件数が減少したほか、百貨店の売上高が予想を上回り、市場参加者が景気への信頼感を取り戻したのが背景。数日前まで、必ずしも悲観的とも言えない経済指標に対してネガティブな反応を示していたのがウソのようだ。
為替市場でもユーロがドルに対して上昇。5月以降で初めて1ユーロ=1.27ドル台を付けた。その要因に挙げられているのは欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が景気回復の勢いが増しているとの認識を示したことと、欧州の銀行を対象とするストレステスト(健全性審査)で、ギリシャ国債に対して当局が想定している価格の下落率が一部の投資家予想よりも小幅だったこと。

ユーロのショートポジションが再び積み上がった(CFTC(米商品先物取引委員会)が発表したIMM通貨先物の建玉報告(6月29日までの週、投機筋)で、ユーロの売り越しは前週(6月22日までの週、投機筋)の7万974枚から7万3670枚に拡大)ことによって、為替市場はショート筋にとって都合の悪い材料により過敏に反応し易くなっている。金融市場はこうしたポジションの偏りの構築する過程で相場のトレンドを生み出すと同時に、ポジションの積み上がりと共にそのポジションに都合の悪い材料に敏感になって行く習性を持っている。そしてそのポジションが崩壊する過程では時として破壊的な動きを見せる。

これまで何事にもネガティブに反応して来た金融市場が、些細な材料を「好材料」として捉えるようになって来ているのは、足元の金融市場はショートカバー局面に移って来ていることの証左だ。この先暫くは、これまで見えている材料に対して金融市場は下値抵抗力を発揮する可能性が高い。

移ろいやすいのは、有権者も同じ。「脱小沢」を上手く演出し、支持率の「V字回復」を果たした菅内閣の支持率は、「消費税発言」を契機に史上最速のペースで下落している。各紙の世論調査を見ると、参院選で民主党の獲得議席は50議席前後。世論調査通りの結果に終われば、日本は再度「衆参ねじれ現象」に苦しむことになる。前回の「衆参ねじれ現象」時には、失敗に終わったものの、自民、民主の大同団結の動きが見られたことを考えると、今回も政治の世界では様々な組み合わせが模索されることになりそうだ。

世論調査通り民主党が単独過半数に遥かに届かない負け方をした場合には、議席数の少ない国民新党と連立を組む必要性はかなり低下し、みんなの党との「菅みん連立」が現実味を増してくる。両党の間では、消費税に対する意見が対立しているかのように見えるが、菅首相は「消費税の議論をする」というところまでしか踏み込んでいないし、みんなの党は「消費税増税より先にやることがある」と消費税を完全には否定している訳ではなく、お互いに妥協出来る余地を残している様にも思える。国民にとっても、殆ど国民から支持を得られていない政党が与党に加わって「1丁目1番地政策」を振りかざすよりは、「菅みん連立」は受け入れられ易い組合せのはずだ。

「民主党が50議席を割り込めば株売りに振れる」という、「民主党敗北=ネガティブ材料」と捉える見方が一部でささやかれているが、国民新党と合計しても過半数に達さず、みんなの党と連立すれば過半数に達するという負け方であれば、金融市場の反応は異なったものになりそうだ。投資家は、足元の金融市場が、これまで見えている材料に対しては抵抗力を増して来ていることを忘れてはならない。


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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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