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「特定秘密保護法案」閣議決定~「国家権力の監視」と「客観的情報を得る」ための「知る権利」

25日、機密を漏洩した公務員らへの罰則規定を強化する「特定秘密保護法案」が閣議決定されました。

この法案の問題点としては
 1.指定が行政機関の長だけの判断で決められ、第三者のチェックを受けないこと
 2.罰則は、秘密を漏らした公務員だけでなく、情報を知ろうとした市民にも適用されること
 3.秘密を永久に公表しなくてよい仕組みにもなっていること
などが挙げられています。

「特定秘密保護法案」に関しては、マスコミや有識者の間から、国民の「知る権利」が損なわれることに対する懸念の声が上がっています。

国家が国益のために外交や防衛上の機密を持つことは、現実問題として当然のことでもあります。それにもかかわらず、マスコミがこうした懸念を表明するのは、法の運用面で政府(その時の権力者)が信頼されていないことの裏返しのように思えます。それは、これまで時の権力者が都合よく法を運用して来た実績を感じているからに他なりません。奇しくも、欧米では、米国情報機関による、メルケル独首相の携帯電話盗聴疑惑が発覚し、国際問題になっています。国家機密を守る仕組み作りは重要なことだと思いますが、それを運用する立場に立つ政治に対する信頼感が薄い現時点で、「特定秘密保護法案」が国民から理解を得るのは時期尚早なのかもしれません。

「特定秘密保護法案」に限らず、原子力と核開発、生命と倫理の問題など、ここ数年、科学技術の進歩に、モラルを含めた人間の精神構造の進歩が追いつかないことによる危機が、いくつも持ち上がって来ています。「科学技術と人間の間に存在する厳然たる進歩の格差」をどのようにして埋めて行くのか、これからの現代社会が解決しなくてはならない喫緊の課題かもしれません。「科学技術と人間」の間で広がっていく進歩の格差は、煎じ詰めれば「頭と心の格差」でもありますから、人間は、結局は人の心をどのようにして磨くのかという、古来から続く永遠の課題を未だに克服できていないということになります。

さて、国民の「知る権利」を守るべき立場にいるマスコミですが、「特定秘密保護法案」に関しては、「国家権力の暴走」に歯止めを掛ける役割を果たす立場からの発言が目立っています。しかし、「国家権力の暴走」に歯止めを掛けなくてはならないのは、外交や防衛分野に限られたものではありません。

マスコミは、消費増税を始めとした国内経済に関する報道において、どれだけ国民の「知る権利」を尊重したのでしょうか。大半のマスコミは、大スポンサーである官公庁や大企業から発せられる「偏った情報」を流し続け、国民に「財政再建のためなら消費増税止む無し」という洗脳活動を行って来ました。この過程では、国民はマスコミの手によって「客観的な情報を知る権利」を損なわれていたと言っても過言ではありません。

時の政府が「国家機密」としようとする問題を国民の目前に晒すことだけが、マスコミが求めるべき「知る権利」なのではありません。国民が賢明な判断をする際に必要な「客観的な情報を知る権利」を守るのも、マスコミの重要な使命だということを忘れてはなりません。商業ベースで「特ダネ」は必要なのかもしれませんが、読者からの信頼を築き上げるのに必要なことは、一発の「特ダネ」ではなく、普段から国民の「客観的な情報を知る権利」を守り通す姿勢ではないでしょうか。


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近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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