みずほ暴力団融資~謝罪対象も、謝罪内容も非常識

「株主、取引先、関係各社に対して大変な迷惑をかけた。心よりおわび申し上げる」

みずほ銀行の佐藤頭取は、28日の記者会見でもこのように述べ陳謝しました。一見深い謝意を示しているように聞こえますが、この謝罪文書に銀行らしさが滲み出ているように思います。

銀行らしさを感じさせるのは、「預金者」と「国民」が謝罪対象になっていないところです。銀行は、預金者から預金という形で集めた資金を、貸出しや国債などの有価証券投資に振り向け、利鞘を稼ぐビジネスを行っています。つまり、「預金者」から預金を集められなくなったらビジネスが成り立たないわけですから、「預金者」を謝罪の対象に含めないということはあり得ないことです。実際に、2013年3月末時点でのみずほ銀行の預金残高は約60兆円と、2兆2737億円の株主資本の26.4倍に相当する規模に達しています。

筆者も2年ほど銀行員を経験したことがあります。その際に感じたことは、通常のビジネスでは資金調達と販売先(顧客)には頭を下げるのが当り前なのに、銀行は、資金調達は「預金者」が勝手に銀行に預金をしにやって来ますし、販売先(貸出先)は頭を下げて資金を借りに来ますから、ほとんど頭を下げることなくビジネスが出来てしまう、極めて特殊な業態だということです。こうした習慣が、謝罪対象に「預金者」を含めないという非常識を成り立たせてしまうのだと思います。

また、まず謝罪しなければならないのは、「迷惑をかけた」ことではなく、社会全体で暴力団排除の努力をしている中で、暴力団への融資をしたことに関する社会的責任のはずです。この点に関してみずほ銀行がどのように認識しているのか、これまでの会見でも全く触れられていません。

マスコミもこの点についてほとんど追及していませんし、これまでのシステム障害などを挙げて、「みずほ銀行では不祥事が続いている」という無責任な報道を繰り返しています。社会全体で排除して行こうとしている暴力団に対する融資(資金提供)と、システム障害とは同列に並べられるものではないはずです。

みずほ銀行の暴力団への融資事件は、銀行もマスコミも、実社会と常識の違う世界に生息している業態だということを浮かび上がらせる事件となったようです。


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