「マスコミとしての1丁目1番地」を忘れた新聞が主張する「国会改革の1丁目1番地」

「国会改革は『決める政治』の1丁目1番地である」

6日付日本経済新聞は「放ってはおけない国会改革」という社説を掲載、その中でこのように断言しています。この社説がいう「国会改革」というのは、自民党が提唱している「 (1)首相の国会出席は原則として予算委員会に限る(2)その代わりに与野党の党首討論を充実させる」ことです。

「国会改革の1丁目1番地」は、もともと自民党が提唱しているようなところにあったのでしょうか。何時の間にか「1丁目一番地」が引っ越しさせられてしまったような違和感を覚えます。

「野田佳彦首相は14日午後の党首討論で、今月16日に衆院解散に踏み切る意向を表明した。自民党が赤字国債発行法案と衆院の『1票の格差』是正法案の早期成立、衆院定数削減を来年の通常国会中に結論を出すことについて確約することなどを条件に掲げた」(2012/11/14日経電子版「野田首相『16日に解散』党首討論で明言 定数削減を自民確約なら」)

昨年11月14日に行われた党首討論における野田前総理の提案に対して、安倍自民党総裁(当時)は次のように断言をしています。

「私たちはまずは『0増5減』、これは当然やるべきだと思いますよ。そして来年の通常国会において、私たちはすでに私たちの選挙公約においてですね、定数の削減と選挙制度の改正を行っていく、こう約束をしています。今この場でそのことをしっかりとやっていく。約束しますよ」

この時の党首討論において約束された3つの条件のうち、「赤字国債発行法案」と「0増5減」法案は成立しましたが、「衆院定数削減」は、通常国会が終わり、臨時国会が開催されている今でも成立していません。そうだとしたら、本来「国会改革の1丁目1番地」は、「衆院定数削減」だということになるのではないでしょうか。少なくとも「衆院定数削減」を始めとした「身を切る改革」は、消費増税を国民にお願いするための条件でもあったわけですから。

夏の参議院選挙で「ねじれ国会」が解消され、「決められる政治」が実現出来る環境が整ったなかで、日本経済新聞は、何故、本来「国会改革の1丁目1番地」であるはずの「衆院定数削減」が先送りされ続けていることに何の批判も加えずに「(1)首相の国会出席は原則として予算委員会に限る (2)その代わりに与野党の党首討論を充実させる」ことを「国会改革の1丁目1番地」にすり替えようとしているのでしょうか。

「政府は5日、省庁の幹部人事を一元管理する『内閣人事局』の新設を柱とする国家公務員制度改革関連法案を閣議決定し、国会に提出した」(6日付日本経済新聞「公務員改革法案を国会提出」)

政府は「人事の権限を首相官邸に集中して首相らの意向が反映されやすい仕組みとし、省益を優先する動きを是正する」ことを目的に、国家公務員制度改革関連法案を国会に提出しました。しかし、この法案に関しては、「日本維新の会とみんなの党は、自民党や野党時代の10年に国会に提出した公務員制度改革法案を基にした修正案を共同提出する考え。当時と比べ幹部公務員の降任既定の表現ぶりが今回の政府案では弱くなっている点などを問題視している」ことが報じられています。

衆参のねじれが解消され、「決められる政治」が実現出来る環境が整ったにもかかわらず、「衆院定数削減」は先送りされ、「公務員制度改革法案」は後退しているというのはどういうことなのでしょうか。

総理が国会に出席しているなかで、党首討論で国民に約束した「衆院定数削減」が先送りされている現実を見ると、「(1)首相の国会出席は原則として予算委員会に限る (2)その代わりに与野党の党首討論を充実させる」ことが「国会改革の1丁目1番地」であるという、日本経済新聞の主張は笑い話にもならないように思えます。

党首討論で表明した国民との約束を果たそうともせず、党首討論を軽視している政府が、「与野党の党首討論を充実させる」ことを「国会改革」の目玉として提唱する愚に対して警鐘を鳴らすことこそが、「マスコミとしての1丁目1番地」ではないのでしょうか。

「決められる政治」は重要かもしれませんが、「決めたいことだけを決める政治」にならないよう監視することを忘れてはならないように思います。
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近藤駿介

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