マッチポンプ~FX取引レバレッジ規制

今日8月1日から、FX取引におけるレバレッジの上限が50倍にとする規制がスタートした。1年後にはレバレッジの上限は25倍まで引き下げられる予定だ。

こうした規制には多くの意見があるだろうが、筆者は個人的にはFX取引におけるレバレッジ規制に賛成である。日本では長らく政府主導で「貯蓄から投資へ」というキャンペーンが行われて来た。しかし、レバレッジ100倍だの200倍という世界は、もはや「投資」ではなく、射幸性の高い「投機」でしかない。もともとこのキャッチフレーズは、低迷する日本の株式市場に個人投資家を引き擦り込むことを目的に政策当局によって打ちだされたものだった。それが、株式市場の低迷により、何時しかこのキャッチフレーズが個人投資家を「投機」にまで誘う結果になってしまったことを、政策当局が何時までも放置することは許されることではない。今回のFX取引におけるレバレッジ規制は、政策当局による「マッチポンプ規制」の感は逃れられないが、国民を「投機」に走らせるリスクを抑えたという面において評価出来るものだ。

古今東西を問わず、世の中に存在する殆どの企業がレバレッジ効果を利用して活動していることから見ても明らかなように、レバレッジ自体は正当な経済行動である。しかし、通常の経済行為と言えるレバレッジは3倍~5倍程度、企業の自己資本比率で20%以上の状態である。
FX投資は個人が自己責任の下に行う行動であり、公器である企業と比較すべきものではないかもしれないが、世の中の水準からかけ離れたレバレッジ水準で行われる行為が射幸性の高い「投機」として規制されるのは、「射幸性が強いものは、民法上は公序良俗違反として無効になり、刑法上も犯罪となる」と定めている法治国家では当然のこと。通常の金融機関なら与信が通らない様なレバレッジをFXの分野だけに認めると言うのは、国家が為替市場を賭博場として認めるに等しい行為である。

2007年以降のパチスロ規制によってパチスロ人口が急激に減少したことがあったが、今回のレバレッジ規制でFX人口が減るかと言うと、必ずしもそうはなりそうにない。パチスロが規制された際には、パチスロ以上に射幸性の高いFX取引などが存在していたのに対して、現時点で合法的にFX取引以上に高いレバレッジ取引が出来るものが存在しないからだ。射幸性の強い投機家も、結局はFX取引以外で己の射幸心を満足させる以外にないのだ。

レバレッジに規制がかけられることで、ミセス・ワタナベと称される日本人投機家の取引量が減ることは間違いのない事実だろう。足元で円高圧力が強まっているタイミングでのFX取引規制は、円高論者の格好の説明材料に利用されることになる可能性は秘めている。


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