2年連続「高値引け」?~僅かな変化を見せた株式市場

「30日の日経平均株価は堅調な展開か。海外資金の流入の再加速で先高観が強まっており、昨年に続いて大納会で年初来高値を更新する『高値引け』となる可能性がある」(29日付日本経済新聞 「大納会『高値引け』の公算)

いよいよ2013年の株式市場も、あと30日の立会いを残すだけになりました。ニューヨークダウが6日連続で最高値を更新し、日経平均株価も8日続伸で6年ぶりの高値を記録して来たうえ、為替はニューヨーク市場で105円台に乗せ、さらには安倍総理が大納会に出席することによる「御祝儀」も想定されますから、2年連続での「高値引け」への期待が高まるのも当然のことかもしれません。

ここ数日の市場動向の特徴は、NT倍率(=日経平均株価/Topix)が若干低下したことです。これまではほぼ一貫してNT倍率が上昇する、つまり、日経平均株価が相場上昇の牽引役になる形で株式市場は上昇して来ました。しかし、NT倍率は25日に最高値12.72倍を記録した後に僅かに低下し、27日時点では12.54倍と、20日時点での12.58倍を下回りました(詳しくは「近藤駿介 Official Site~「Market Data」)。

27日の東京株式市場は、8日連続で上昇するなか、「ファストリやファナックなど日経平均への寄与度の大きい銘柄は1~2%下落」(28日付日本経済新聞)する展開となりました。

NT指数が低下する形で株価が上昇した理由として考えられるのは、来年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)向けに、年明け早々の6日に新指数「JPX日経400」に連動したインデックス投信が設定されることです。東証から公表されている2013年8月30日から12月6日までのJPX日経400のデータに基づくと、新指数とTopixとの相関係数は99.82%と極めて高く、Topixとほぼ同様の動きをしています。一方、日経平均株価との相関係数も97.43%とかなり高いもののTopixよりは低くなっています。

ここ数日、株式市場がTopixを中心とした株価上昇に転じたのは、年明けの6日に「JPX日経400」インデックス投信が設定されることに伴い、ディーラーが玉の手当(在庫確保)を始めたことが要因であったように思われます。

一方、今回の年末年始休暇は長く、その間も海外の株式市場は開いていますから、何のヘッジもかけずに現物株を保有することはあり得ないことです。その際、先物でヘッジを掛けておくのが普通です。本来ならば新指数との相関がより強いTopix 先物を売建る方がリスクが少ないのかもしれませんが、NT倍率が12.7倍まで上昇し、日経平均株価がTopixに対して割高に買われている状況では、割高で、かつ流動性も高い日経平均先物をヘッジ手段として使うことも合理的な選択肢になると思われます。

年明け早々に設定される新指数「JPX日経400」インデックス投信に向けての在庫確保に伴う現物買いと、そのヘッジのための日経平均先物売りが、日経平均への寄与度の高い銘柄の下落を誘い、NT指数を押し下げる形での株価上昇を演出したのではないかと思われます。

8日続伸で16,000円台を回復して来たことから、市場は強気ムードが高まってきています。年明けにはNISAもスタートしますし、目下のところ弱気材料は見当たらないといってもいい状況です。

こうした中での唯一の懸念材料は、投資家や市場関係者が「裁定取引の規模には限界がある」ことを忘れている(知らない)ことかもしれません(詳細は拙著「市場をかく乱する裁定取引~『ユニクロ』が握る裁定取引の限界」に記していますので、そちらを参考にして下さい)。

東証が公表している裁定取引の買残高は、株数ベースで 2,751,611千株と、11月29日の 2,956,952千株、5月の株価急落直前の5月17日の 2,945,549千株にかなり迫って来ています。裁定取引が成立する条件は、先物と現物株式をSQで交換出来ることです。その限界規模を数字的に正確に把握することは出来ませんが、2013年の状況からは、株数で30億株程度が一つの上限である可能性があることには注意が必要かもしれません。
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コメント

「いよいよ2013年の株式市場も、あと30日の半日立会いを残すだけになりました」とのことですが、いまや大納会は半日立会いではありませんよ。

相場師様
ご指摘の通りです。習慣でそのように書いてしまいました。お恥ずかしい限りです。気付いた時点で当Blogは修正したのですが、BLOGOSには修正依頼は出したものの、なかなか反映して頂けません。
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近藤駿介

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Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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